昨日は、旧暦8月1日=新月でした。八月朔日のことを略して、八朔(はっさく)と言います。日本各地では、八朔の日をお祝いしていますが、旧暦でしている所は少ないです。
【1】【起きよ祭り】…【神武東征】
出発(船出)の地:【宮崎県日向市美々津町】では…
①【起きよ祭り】とは、【旧暦「八朔」(8月1日)の夜】に子供達が短冊飾りのついた笹を手に町の家々の戸を「起きよ、起きよ」と叩いて回る祭りです。
天皇がこの耳川河口周辺に軍勢を集結させていたが、凧を揚げての風見・遠見の結果、旧暦の8月1日の【朝2時】頃、風の具合が丁度良くなった為に、急遽、出発することとなったと言われています。
町の人々は「起きよ!起きよ!」と声を掛けて回り、出発の準備をし、餡子入り団子を作ろうとしたが、急いでいたために、米の粉と小豆を搗き混ぜた「おきよ団子」・「お船出団子」・「つき入れ餅」などと呼ばれる団子を作り、これを献上しました。天皇は立ったままで衣服を繕(つくろ)われたという故事に因む祭りです。
町内には、神武天皇が航海の安全を祈願したという場所に小さな神社があり、境内には天皇が腰掛けられたという「御腰掛岩」があります。
稲の実りを祝い、牡丹餅を贈り合う風習と暴風を静めるため、【二百十日前後に行う風祭り】などが重なった行事とも言われています。(wiki参照)
画像はこちらから wikiよりE7%9A%87
【2】風習
❶節句
【旧暦の8月1日の節日(せちにち)】で、今では9月1日に行っている土地もあります。この日を盆の終わりとして八朔盆とも称しています。(今年の旧盆は9月5日でした)
四国や中国や九州地方には、「八朔の馬節供」と称して、馬や鶴亀などの形の米粉の細工を作って親戚や近所の家に贈る風習があります。そして、それを初めて生まれた子供のお祝いとして飾り、上巳の節供や端午の節供のように「八朔の節供」として祝う所もあります。
①「八朔の節句」(=馬節供)…【香川県の西讃地方】と【広島県福山市】と【九州の一部】では、【八朔の日】に、馬を飾ってお祝いします。
⑴馬節句の日…西讃地方(丸亀、仲多度、三豊)…八朔の日に新粉細工や張子の馬を男児誕生の家へ贈る風習があります。
・丸亀市…讃岐藩出身で馬術の名人として名高い曲垣平九郎に因んで、男児の健やかな成長を祈り、その地方で獲れた【米の粉】でりっぱな【八朔だんご馬】を作り、男児のいる家に贈り、それを武者人形や張り子の虎、大きな鶴亀の団子菓子と一緒に飾る風習が今もあります。米粉を使うことから、これら行事は「穂掛け」の行事がルーツになっていると思われます。
・高松市…シンコマといって、男の子のために、米の粉で裸馬の形をつくり贈答する風習があります。
・三豊市の旧仁尾町&兵庫県たつの市御津町室津地区など…歴史的経緯によって、【旧暦3月3日に行われる雛祭り】を八朔に延期する風習を持つ地域も存在します。
⑵「八朔の節句」…福岡県遠賀郡芦屋町
長男・長女の誕生を祝い、男児は藁で編む【わら馬】、女児は米粉で作る【だごびーな(団子雛)】を家に飾る行事が行なわれており、300年以上続く伝統行事として、国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択を受けています。
⑶熊本県では、ナスに足をつけて花馬というものをつくり、田の神が乗って帰られるといって、これを海や川に流す風習があります。
②関東から中部の畑作農村…【生姜節供】といい、新婚の嫁がショウガをみやげに里帰りさせる所があります。
⑴群馬県前橋市付近では、媒酌人や稽古事の師匠にも生姜を贈る風習があります。
⑵【生姜の収穫祝い】として、生姜市の立つ祭礼などが各地にあり、市で買ってきて、【魔除け】にする所もありました。
福島県石城(いわき)郡四倉町(現いわき市)の船渡八幡神社(旧暦8月15日)、港区芝大神宮(8月16日前後)、福岡県太宰府天満宮(9月22日)、鹿児島市清水町多賀神社(10月16日)などでやっています。
❷【苦餅】…昼寝がなくなる時期
八朔につく餅(もち)を【苦餅】と言っていますが、これは、この日から昼寝をすることがなくなり、夜鍋仕事が始まるからです。【昼寝のできる期間】は各地で異なり,地方ごとにその期間が定められていました。
秋田県や和歌山県では…旧暦4月8日~旧暦8月1日(八朔)まで。
新潟県北部や島根県あたりでは…田植~盆(または旧盆)まで。
大阪の南河内郡では半夏生(はんげしよう)~8月9日まで。
こうした決まりは、夏季の作業能率を高めるための工夫であり、奉公人が多く存在していた時代に盛んに設けられたものです。
❸【贈答で繋ぐ絆】…たのみ節句
八朔の頃、農民の間で、【早稲の穂】が実るので、初穂を恩人(=日頃から世話になっている人)などに贈る風習が古くからありました。「豊作祈願」の一方、「田の実」が「頼み」に転じ、八朔には様々な贈答の風習が生まれ、親戚間や付き合いのある家同士で贈り物をし、助け合って生きていくための結びつきを強めました。
このことから、【田の実の節句】とも言い、この「たのみ」を「頼み」にかけ、【庶民の間の素朴な八朔の贈答習慣】が武家や公家の間でも広がり、日頃お世話になっている(頼み合っている)人に、その恩を感謝する意味で贈り物をするようになりました。
⑴町家でもこの風を受けて互いに贈り物をし、祝賀の意を表しました。
⑵花街でも八朔に挨拶まわりをする風習がありました。
㈠)江戸吉原では、紋日(もんび)とされ、遊女たちが白無垢(しろむく)の小袖を着て、お祝いをしました。
㈡京都の祇園の芸舞妓は、新暦8月1日に、今でも、正装姿で、芸事の師匠やお茶屋に挨拶にまわっています。
⑶㈠室町時代になると、武家社会には贈答のしきたりができ、将軍と朝廷間の贈答や将軍と武家衆、公家衆間の贈答のルールもできあがり、八朔の馬を将軍から朝廷に献上する「八朔御馬献上」なども行われていました。八朔の進物が幕府が禁令を出すほど流行したそうです。
㈡江戸幕府では、天正18年(1590年)のこの日に徳川家康が江戸入りしたことにちなみ、「八朔」を正月元日に次ぐ重要な日で、武家の祝日となり、「八朔御祝儀」といい、大名・旗本が皆、白帷子(かたびら)を着て、登城し、将軍家に祝辞を述べる日となっていました。
❹【農耕儀礼】…農耕の生産過程の折り目ごとに営まれる信仰的儀礼のことです。
①【推移儀礼】…台風の被害を避け、農作物を風害から守るため、神に祈るための【風祭り】
三大厄日…嵐の来襲する確率の高い日(荒日:あれび)として、八朔・二百十日・二百二十日の3日は、怖れられました。
八朔祭は、暴風を静めるための【二百十日前後に行う風祭り】などが重なった行事だと言われています。
・中部地方・北陸地方では…獅子舞によって風神を追い払う行事や、家の棟木の両端に風神が恐れるという鎌を青竹の先に縛り、御幣をつけ、社や庭に立て、風切り鎌を外向きに立てる習俗が残っています。
・富山県八尾町では、風祭とお盆が合わさった行事:「風の盆」があります。胡弓、三味線、太鼓、尺八が奏でる越中おわら節を、菅笠を深く被り、三日三晩を踊るのですが、祖先の霊を慰める盆踊と、風を鎮める風祭が一つになった農耕儀礼と言われています。
②【収穫儀礼】
「穂出し」を祈願する行事をする日を重要な節日とし、【田の実の節供】とか【頼(たの)みの節供(祝い)】【たのもの節供】【八朔節供】と言います。
⑴九州北部や西日本各地では稲の収穫を目前にしての豊作祈願のため、家の主人が田んぼへ行って、七夕の笹のようなものを立てて、田の畔でタホメ,作頼み(サクダノミ)などと称して、作柄を褒めてまわる「予祝儀礼をする風習」。
⑵早稲の穂を採ってきて、焼米を作る「刈り初めの神事」。
⑶未熟の稲の初穂を神様にお供えする「穂掛けの神事」。
⑵⑶は、稲穂三本を神棚や竈神に供え、稲の豊作を祈願します。
❺この時期は、稲の穂が外に出て、モミからおしべが顔を出す大切な時期ですが、台風や害虫、鳥の被害を受けることも多いため、江戸時代位から「結実期の稲が、天災に遭わずに無事実るよう、そして、五穀豊穣を祈り、祈願する行事【=豊作祈願の祭り】」の【八朔祭】が各地で行なわれてきました。
下記のように、旧暦8月1日には行われている所は少なく、ほとんどは8月上旬~9月中旬の間に行なわれています。
○矢島の八朔まつり(神明社)…山形県由利本荘市…9月13~14日
○八朔祭(出羽三山神社)…山形県鶴岡市…8月31日~9月1日
○那珂湊八朔祭…茨城県ひたちなか市…8月2日3日
○大洗八朔祭(大洗磯前神社)…茨城県大洗町…8月23日24日
☆八朔祭(生出〈おいで〉神社)…山梨県都留市…9月1日
本祭では神輿が渡御し、附祭では大名行列や屋台が巡行します。江戸後期の天保年間にはすでに実施されており、現存する屋台後幕は浮世絵師の葛飾北斎が手がけたとする伝承があります。
○富来八朔祭り…石川県羽咋郡志賀町…8月23日24日
○つばた町民八朔まつり…石川県津幡町…8月2日
○山代温泉 八朔まつり(服部神社)…石川県加賀市…9月1日
○八朔祭(日吉神社)…福井県美浜町新庄区…9月1日…福井県内でも一番の【奇祭】と言われています。
五穀豊穣と子孫繁栄を願って行なわれ、太鼓や笛のお囃子の中、樽神輿をかついだ行列が田代公会堂を出発し、【日吉神社】まですすみますが、この行列に続いて、男性のシンボルをかたどったご神体を持った天狗が進み、見物客の女性をご神体(長さ約60㎝の木製)でつつき、このご神体でつつかれた女性は子宝に恵まれるといういわれがあります。
○元伊勢八朔祭(元伊勢内宮皇大神社、元伊勢外宮豊受大神社)…福知山市大江町…9月第一日曜日
○松尾大社 八朔祭…京都府…9月6日7日
○能勢(のせ)妙見山八朔祭…9月4日…大阪府豊能郡能勢町
○開口(あぐち)神社八朔祭…堺市…9月12日を中心とした金・土曜日
○道明寺(どうみょうじ)天満宮八朔祭…藤井寺市…9月1日
○三重県北牟婁(きたむろ)郡紀北(きほく)町の養海院では、八朔には盆踊りと同様な八朔踊りを踊るといいます。
○八朔祭…熊本県上益城郡山都(やまと)町…9月第1土・日曜日…巨大な造り物で、全国ニュースにも毎年取り上げられているほど有名な祭り。江戸時代中期から始まったとされ、田の神に感謝し、収穫の目安を立てる日とされ、町の中心街を高さ3〜4m、長さ7〜8mにもおよぶ大造り物(山車)が数十基、引き廻されます。
画像はこちらからお借りしました。
上記☆印の【生出神社】の古文書を元に、【古式の八朔祭】をみてみましょう。
【古式の八朔祭】…8月1日(旧暦)
⑴【真夜中】…昔の八朔祭は、真夜中から始まりました。【丑の刻(午前2時頃)】になると、【惣(そう)行事】が太鼓を打ち鳴らし、各町を回って歩きます。これを【一番太鼓】といいます。
⑵その後しばらくして【二番太鼓】が打ち鳴らされます。(※神事のスタート時刻は夜明けの晩の【丑の刻(午前2時頃)】ですね♪神武天皇は旧暦の8月1日の【朝2時】頃、東征に出発したと言われています。)
⑶【夜明け】…夜明けを迎える頃、【三番太鼓】が鳴ります。この時、惣行事は「お仕度~、お仕度~!」と大声で知らせて歩きます。(※日向では、神武天皇が東征するので、町の人々は「起きよ!起きよ!(目覚めよ!という意味もかけています)」と声を掛けて回ります。)
⑷この合図とともに各町とも家を飛び出し、支度を整え、【屋台】などとともに【生出神社】へ向かいます。
⑸【朝】…神社で一通りの神事を行い、滞りなく終了すると、大手通の御旅所に向かって行列が始まります。
⑹【行列開始】…先頭は、【榊太鼓】が先触れを行います。出発の合図は鉄砲です。「下にぃ~、下にぃ!」いよいよ行列が【出発】です。(※謙虚に!謙虚に!)
・・・・・・
このように、昔からの伝統行事には、先人の知恵がいっぱい詰まっていますね。凄いですね♪
あと、八朔祭の盛んな地域を見ると、神武東征のモデルになった人の影が見え隠れしていますね♪
名前は消されていても、真相(しんそう)は私達民衆の深層(しんそう)意識には永遠に残っていくのですね♪
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