私は日本という国に生まれて本当に良かったと思っています。
なぜなら、春には梅や桜などの花々が咲き、夏には透き通るような海で泳いだり、秋には燃えるような紅葉が山々を飾り、冬には一面銀世界になるような雪景色…四季のバランスがあり、四季折々に花や風景、食の楽しみがあり、その四季折々にみせる自然がとても素晴らしいからです。
日本人は、それらの天からの素晴らしい頂きものに本当に感謝しなければいけないと思います。本当に有難いことです。
日本の【神道】は「神の道」と書きますが、古代、日本には神社という形はなく、人々は身の回りにある自然(山、海、土、岩、木、花…)そのものを神として厚く敬ってきました。命あるものすべてを敬い、慈しむのが、本来の日本古来の神道であり、【祈りの心】です。
日本には八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃるというのは、水の神様、木の神様など、すべてに神様の名前があるからです。
なので、山に登る時は、「登らせて頂きます」と神様にお供えをして、手を合わせ、漁に出る時も、海の神様にお供えをして、手を合わせていたそうです。古の日本人は自然を神として敬い、四季の巡りに順応し、常に自然と対話しながら暮らしていました。宇宙の流れや四季の流れに逆らわず、自然を慈しみ、自然と一体になって暮らす日本人の生活そのものが、「祈り」であり、古代の人々にとって「祈り」という行為は決して特別なものではなく、日常的な普通のことだったと思います。
私達、現代人も、古の日本人(といっても、50年位前まではそういう生活が残っていたと思いますが…)のように、日常生活を、今この瞬間を、宇宙の流れや四季の流れに乗り、常に自然と対話しながら、自然を慈しみ、自然と一体になって暮らす「祈り」の生活をしていきましょう!
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【1】二十四節気って、ご存知ですか?黄道を黄経0度から15度ずつに刻み、太陽がその区分点を通る日付によって、一年を24等分し、約15日ごとに、それぞれの期間の季節的な特徴を表す名称を付け、季節の移り変わりを知る目安としたものです。古来中国から伝来して、日本でも季節のさだめに重用され、今日に及んでいます。
現在は「春分の日」を基準に計算されています。二十四節気をさらに5日ずつに3等分し、時候を表したものが「七十二候」です。
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早速ですが、4月20日(木)6時27分二十四節気の【穀雨(こくう)】です。 読んで字のごとく、「五穀豊穣もたらす雨」という意味があります。
二十四節気における【春】は、【立春】に始まり、【穀雨】で終わりを告げ、次の【立夏】から【夏】の季節となります。
【2】【穀雨】とは…①二十四節気の第6。三月中 (旧暦3月:弥生〈やよい〉内)。太陽視黄経30度。西洋占星術:【穀雨】=金牛宮(牡牛座)の始まり。です。
また、②期間としての意味もあり、この日から、次の節気の立夏前日まであります。
③暦便覧では、『春雨降りて 百穀を生化すれば也』で、これは、「柔らかな春の雨が全ての穀物を潤す」という意味です。
(百穀…米、麦、豆、粟〈あわ〉、稗〈ひえ〉、黍〈きび〉など、人類が主食としてきた数多くの穀物。)
④雪が解け、様々な命が吹き返し、草花が順々に咲き、鳥が渡り…春はすっかり次の命を育む用意ができた時期が【穀雨】であり、穀物を育てるために降る雨、と言われています。
春の暖かいシトシト雨が降って、穀物の芽が伸び始め、準備が整った田畑の土は雨を吸って、黒々とした肌に変わってきます。
⑤七十二候では…
⑴初候(4/20~24):葭始生(あしはじめてしょうず)水辺の葭が芽吹き始める頃。葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。
⑵次候(4/25~29):霜止出苗(しもやみてなえいずる)霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。霜は作物の大敵とされています。
⑶末候(4/30~5/4)牡丹華(ぼたんはなさく)牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。
【3】どうして、梅雨でもないのにこの時期は雨の日が多くなるのでしょうか?それは、大陸性または移動性の高気圧が北に偏ることで、本州南岸沿いに前線が停滞するからです。
しかし、5月に入ると、安定した晴れの日が続きやすく、日差しに力強さを感じるようになってきます。
★春の雨は、大地に眠る様々な命を呼び起こします。そんな春の雨に我々の祖先は情緒溢れる様々な呼び名前をつけて、心を育んできました。日本人って素晴らしいですね♪
下記に、「春の雨を表す言葉」を紹介します。
・「百穀春雨(ひゃくこくはるさめ)」いろいろな穀物を潤し、芽を出させる春の雨のこと
・「甘雨(かんう)」草木を潤し、成長を促すような優しい雨のこと
・「催花雨(さいかう)」いろいろな花を咲かせる雨のこと
・「春時雨(はるしぐれ)」突然降ってきては止む、といった気まぐれな雨のこと
・「春霖(しゅんりん)」長く降り続く春の雨のこと
・「瑞雨(ずいう)」穀物の生長を促す雨のこと
・「菜種梅雨(なたねづゆ)」菜の花が咲く時期に降り続く雨のこと
これらの雨の恵みを受けた黒い土からは、「春の汗」を誘う陽炎がたちのぼる頃で、生き生きした情景になります。
また、「清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」という言葉があるように、この頃から、変わりやすい春の天気もこの頃から安定し始め、冬服やストーブとも完全にお別れします。
【4】昔の人々は、二十四節気の季節(細かく分けることで得られる季節感)を暮らしに役立てており、特に、農作業のスケジュールを立てるのに利用していました。
農業を営む人は、この時期に種まきをすると、植物の成長に欠かせない雨に恵まれ、よく成長すると言われ、穀雨に合わせて、農作業の準備を始めていました。
また田植えの準備をする期間に入り、稲作人は豊作を願い、気持ちを新たにする日でもあり、現代でも地域によっては、田んぼに水を入れ、田植えの準備をしている風景を見かけるようになります。(※苗を植える目安となるのは、6月6日頃の「芒種(ぼうしゅ)」という時期で、以降、全国各地では田植え祭りが行われるようになります。)
【5】穀雨の終わり頃の立夏直前に【八十八夜】があり、今年は5月2日(火)です。
八十八夜は、立春を1日目と数えて、88日目にあたる日で、この時期は春先最後の霜が発生しやすいので、農作業に注意を促す日とされています。
八十八夜に手で摘み取られる一番茶は、二番茶以降のお茶よりもうまみのもとであるテアニンなどの成分を豊富に含んでいるだけでなく、一年間無病息災で元気に過ごせると言われていて、古来より不老長寿の縁起物の新茶として珍重されています。
それだけでなく、その年の穀物などの出来高を占う意味合いもあるので、農耕をされる方は気にかけて新茶を呑む人もいるぐらいです。
そう言った意味合いを感じながら、新茶を呑んで頂くと、さらに楽しめるかと思います。
また、農家にとっては「八十八夜の別れ霜」というような言葉もあり、この日を過ぎると、農作物への霜害の心配がなくなるとされ、本格的に農業が始まります。
そして、「八十八」を重ねると「米」という字になるため、この日に農作業をはじめるのがよいとされ、お祝いをする風習もあるそうです。
5月になれば、変わりやすい春の天気も安定し、日差しもすっかり強くなり、今年もまた、暑い夏がくるのです。
【6】【穀雨の頃の旬の食材】…新茶
❶野菜:きくらげ、筍(たけのこ)、菜の花、わさび、ぜんまい、たらの芽、こごみ、山椒、ヨモギ(蓬)、明日葉、ふき、アスパラガス、春菊、キャベツ、レタス、新ゴボウ、玉ねぎ、さやえんどう、空豆、グリーンピース…など。
❷果物:琵琶(びわ)、イチゴ、夏みかん、グレープフルーツ…など。
❸魚介類:泥鰌(どじょう)、やまめ、いわな、ます、鯵(あじ)、くろたい、うるめイワシ、にしん、めばる、鰆(さわら)、しらす、ホタルイカ(富山湾)、真ダコ、かずのこ、サザエ、とりがい、あさり、しじみ、若布、ひじき…など。
○【ヨモギ】穀雨の時期が旬で、「ハーブの女王」と呼ばれるほどの薬草。
ヨモギは蒸すことによって、食べやすくなります。(例:ヨモギパン)
ヨモギは草餅に用いられることから、別名「餅草」とも呼ばれ、草餅はゆでた蓬の葉などをまぜてついた餅で、中に餡を入れた大福状の物もあります。草の香りには邪気を払う力があるとされ、縁起の良い和菓子です。もとは、旧暦三月三日の桃の節句のお祝いに作って食べたものです。
この時季、蓬の若葉を摘んで餅にまぜてつくるのが蓬餅です。
○【タラの芽】山菜の王様。ソメイヨシノの満開と概ね一致するタラの芽の芽吹きです。おひたし、味噌和え、てんぷらなど、おいしくいただける山菜です。
○【枇杷(びわ)の実】は、自然からの甘くておいしい贈り物です。生食でもおいしいですが、ジャム、ゼリー、枇杷酒、缶詰など加工食品でも人気。
○【泥鰌(どじょう)】全国の田んぼなどに棲息しているコイ目ドジョウ科の淡水魚。古くから食用とされてきており、江戸では泥鰌を割下で煮た「どじょう鍋」や、それを卵でとじた「柳川鍋」が有名で、東京の下町には名店が並んでいます。泥鯖に含まれるカルシウムは鰻の9倍、ビタミンDやたんぱく質も豊富。また、脂肪も少なく、鰻に比べてカロリーが1/3と、ヘルシーな食材ともなっています。
○【若布の「め」】食用になる海草の総称で、全国の近海で採れます。三陸重茂(おもえ)の天然若布が有名ですが、天然ものは、宮古市周辺の海で採れる若布のうち4%に過ぎません。島根県出雲地方では、幼い若布を簀(すのこ)の上に並べて干し(それを“めのは”といいます)、炙って手で揉み、ご飯に掛けて食べます。茎の両側は肉厚で、粘質で、そこを布株(めかぶ)といい、それをすってとろろ汁のようにして食べるのを「めかぶとろろ」と言います。
○日本の春の味覚で、関東で旬を迎える【筍】。山椒の葉は木の芽と言い、これが筍と同じ時期に芽吹いてくる同級生のような存在で、食べた瞬間に山の香気を感じられます。
グングン延びていく新しい命の象徴の筍と木の芽もワカメも相性の良いので、共にいただきましょう。
❹【レシピ】
⑴【木の芽味噌】
[材料・分量]木の芽 1パック(約20~30g)・みりん 100ml・味噌 200g・塩麹 30g(無くても大丈夫ですが、あると発酵力が増します)
[作り方]①木の芽をザルに移し、熱湯をかける。POINT:そうすると発色が良くなり、香りも良くなります。
②木の芽をすり鉢に入れ、原型がなくなるまでひたすらすります。すりにくかったら、みりんを少しずつ加えて下さい。
③.よーくすれたら、みりん、味噌をいれ、さらにすります。
④.まんべんなく混ざったら出来上がり
※他者の命をいただき、春に養った英気とともに、来たる夏をお迎えしましょう。
⑵【ワカメのナムル】
[材料・分量]ワカメ・塩・A:醤油麹、薄口醤油、ブラックペッパー、にんにくのすりおろし適量・ごま油 適量
[作り方]①鍋に熱湯を用意し、ワカメをさっと茹でます。
②一口大に切り分け、水分を絞りボウルへ。
③ボウルに、Aを隠し味程度に加えて、味が決まったら、ごま油これも隠し味程度に回しかけます。
仕上げ.お皿に、ワカメのナムルをしき、その上にタケノコを乗せ、木の芽味噌を添えて出来上がり。
※旬の食材は、美味しさも格別ですし、栄養価も高くなることから、積極的に暮らしの中に取り込みましょう。
【7】【穀雨の頃の花や草木】
❶花:チューリップ、牡丹、山吹、木瓜(もっけ)、姫リンゴ、(どうだん)つつじ、シャクナゲ、藤、花水木の花…など。
❷草木:葦(あし)・葦牙(あしかび)、ヨモギ(蓬)、ニワトコ、タンポポ、シロツメ草…など。
○【山吹】晩春になると、黄色の五弁花を咲かせるのが、バラ科ヤマブキ属の落葉低木。山間の湿地などに群生して、暗褐色の実をつけますが、庭木に多い八重咲の山吹は実をつけません。
○【葦・葦牙】この時期になると、水辺の葦の若芽が出てきて、若芽は水面に出た牙のように見えるため葦牙と呼ばれます。葦牙は食用になり、茎はかたいため、すだれの材料になります。イネ科の多年草で根茎が地中を這い、沼や川の岸に高さが2~3mにもなり、大群落をつくります。葦の別名が「よし」なのは、葦は「悪(あ)し」に通じるのを避けて、「善(よ)し」と呼ぶようになったとか。輩早の茎の中が空洞のため、「よしのずいから天丼のぞく」ということばも生まれました。
○【木瓜の花】寒い冬の頃から咲き始め、春になると満開になるバラ科の植物で、赤色や淡いピンクの花を枝一面に咲かせます。果実が瓜に似ていることから、「本に成る瓜」から本瓜となり、ボケと呼ばれるようになったとも言われています。原産は中国で、平安時代に日本に入ってきたといわれています。自生するものもありますが、観賞用として栽培されているものもあります。バラ科の植物とあって、枝にはトゲがありますので、鑑賞する際には注意しましょう。
○【ヨモギ】体にも良い上に、美肌効果もあり、韓国の女性達に人気。止血に使われます。
○【ニワトコ】接骨木、庭常とも書くスイカズラ科の落葉低木。晩春に円錐状の白い小花を咲かせ、赤い実をつけます。幹や枝は消炎、利尿作用が、花は発汗を促す作用があります。
蓬とニワトコの葉のお風呂:一肩こりや腰の痛み、打ち身に効果があり、心地よい香りも楽しめます。葉は細かく刻んで布袋に入れて湯船に浮かべます。
○【牡丹】この時季、白、紅、紫、黄色などの大型の花を咲かせ、花の王である「花王」と呼ばれ、昔から人気の園芸品種。花びらは五枚から八枚ですが、重弁や二段咲きなど様々に品種改良されたものがあります。二十日草、深見草、名取草などの異名もあります。他にも紋所に使われ、その種類がとても多い人気花です。
【穀雨の頃の生き物】:蜂、モンシロチョウ、鯵(あじ)、ホタルイカ(富山湾)、サザエ、泥鰌(どじょう)、オタマジャクシ
○蜂:春になり、いろいろな花が咲き乱れるようになると、その蜜を求めて蜂も活発に動き回ります。
【8】【穀雨の時期に種まきをすると良いもの】大豆、インゲン、春菊、トウモロコシ、三つ葉
【9】【穀雨の頃のうた】
○口の暮れや 葦の花にて 子をまねく (一茶)
○蓬 萌え おほばこの葉も 遅速なく (汀女)
穀雨は、他の節気ほど有名ではありませんが、生命の息吹と自然の恵みを感じさせてくれる、何とも趣のある時期ですね♪
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今日はここまでで、明日は、穀雨の期間の養生の仕方について書かせて頂きます。
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