【3】大暑のイベント・行事・祭り
大暑の時期は,夏休みということもあり,日本三大祭の「祇園祭」
「天神祭り」「ねぶた祭り」を始め、たくさんの行事があります。
❶お祭り…2021年はコロナの影響で、中止の場合が多いので、行かれる際はご確認下さいませ。
①日本三大祭
⑴[祇園祭]…八坂神社の祇園社の祭礼。日本三大祭の一つ。
毎年7月1日(吉符入)~31日(疫神社夏越祭)まで、1ヶ月に渡って行なわれます。
その歴史の長いこと、またその豪華さ、祭事が1ヶ月に渡る大規模なもので、単に神社や氏子達だけのものでなく、京都市全体の祭りとして広く知られています。
約1100年前、神泉苑に日本全国の国の数の鉾66本を立て、祇園の神を祀り、災厄の除去を祈る祇園御霊会を行ったのが始まりと伝えられています。
祇園祭のハイライトは,
17日「前祭・山鉾巡行と神幸祭神興渡御」と
24日「後祭・山鉾巡行と還幸祭神興渡御」です。
33基の山鉾巡行は豪華絢爛で,優雅なので,祇園祭では山や鉾がどうしても取り上げられがちですが,祭りの主役は神輿で,最も重要な行事とされるのが「神輿渡御」です。
重さ約2トンもある神輿を300~500人以上の氏子(男)が交代で腕の力だけで担ぐ姿は,勇壮で激しく,圧巻です。
7/10の神輿洗式,15日の宵宮祭を経て御神霊をお遷しした神輿は,17日の山鉾巡行が行われた後の夕刻,八坂神社で出発の儀を執り行ないます。
見所はなんといっても神幸祭に行われる【三社揃い踏み】です。
出発前に八坂神社の西門前に集まった三つの神輿が「ほいっと!ほいっと!」という掛け声で,それぞれの神輿が天に向かって高々と担ぎ上げられる【差し上げ】、時計回りに回転させる【差し回し】です。
神輿を高々に差し上げると、拍手と歓声がドッと沸き上がります。
・中御座…素戔嗚尊 (すさのをのみこと)。屋根に鳳凰をいただく六角形の神輿。三若神輿会がご奉仕します。
・東御座…櫛稲田姫命 (くしいなだひめのみこと)。屋根に擬宝珠をいただく四角形の神輿。四若神輿会がご奉仕します。
・西御座…八柱御子神 (やはしらのみこがみ)。屋根に鳳凰をいただく
八角形の神輿。錦神輿会がご奉仕します。
17日夕刻八坂神社を出発し,主に鴨川以東,河原町などを通り,同日夜四条寺町の御旅所に入ります。
三基の神輿,及び東若御座の神輿が氏子区域を渡御します。
山鉾巡行,花傘巡行の行われる24日迄滞在し,24日夕方より今度は寺町通以西の区域をまわり,夜遅くに八坂神社に戻ります。
御神霊を神輿より本殿にお遷しした後、28日の神輿洗式をもって、神輿の神事は終了します。
山鉾巡行は祭神【素戔嗚尊・櫛稲田姫命・八柱御子神】の来訪の為の,いわばお清めのような意味合いがあるとされています。
なお、祇園祭山鉾巡行は,平成26年7月17日の前祭巡行(23基の山鉾)と24日の後祭巡行(10基の山鉾)の2度の巡行が49年ぶりに復興しました。
7/14~16(前祭:さきまつり)と7/21~23(後祭)に行われる[宵山]
では,夜,各山鉾では,駒形提灯に灯がともり,幻想的に山鉾を照らし,鉾からは祇園囃子がにぎやかに奏でられます。
町会所等には山鉾の人形・織物・金具などが美しく飾られ,お守りを売る浴衣姿の子供達の童歌を聞くことができます。
「京都祇園祭の山鉾行事」はユネスコ無形文化遺産にされています。
【歴史】…約1100年前の清和天皇の869(貞観11)年に,京洛に疫病が流行し,庶民の間に病人,死人が多数出ました。
これは,牛頭天王(ごずてんのう、素盞鳴命)のたたりであるとし,そのご機嫌をとるため,神をまつり,祇園社(八坂神社の前身で,祭神は素盞鳴命)を信仰し,病魔退散を祈願しました。
その方法は、日本全国の国の数に準じて66本の鉾をつくらせ,それを神泉苑(中京区御池通大宮)におくり,悪疫を封じ込む御霊会を行なったのが始まりであると伝えられています。
その後、祇園社の興隆とともに、"祇園御霊会"と呼ばれ、この名が略されて単に祇園会と呼ばれるようになりました。
初めの頃は、疫病流行の時だけ不定期に行われたましが、円融天皇の970(天禄元)年からは、毎年6月14日に行なわれるようになりました。
その間,保元,平治の乱の時,一時絶え,足利時代に再興,足利将軍、夫人らが観覧したことが記録に残っています。
しかし,応仁,文明の乱に京都は焼野原と化して,折角の祇園会の興隆に一頓挫をきたしましたが,すでに町衆の手に支配されていた
祇園会に対する熱情は容易に屈せず,大乱の約30年程後,1500(明応9)年6月には再び山鉾26基が巡行したと伝えられています。
これらが契機となり,山鉾は町衆の手によって,創意がこらされ、内容外観ともに豪華,絢爛なものとなりました。
1504(永正元)年6月には後柏原天皇もこの祇園会を観覧していますが,当時の町衆の信仰と勢力は次第に大きくなり、1533(天文2)年,一向一揆に際して,室町幕府は神事停止を命じましたが,"神事無之共、山鉾渡し度し"と申し出るほど,町衆の山鉾存続への熱意が高まっていきました。
鉾が今のような形になり、豪華な飾りをつけるようになったのは桃山時代から江戸時代にかけて貿易がおこり、町衆階級が勃興して,舶来のゴブラン織や西陣織などが競って用いられるようになってからです。
このように、祇園祭は1100年の伝統を誇っており,再三中断,再興を重ねて,京都の歴史とともに歩んできたものです。
⑵[天神祭](大阪:天満宮)…期間は6月下旬吉日~7月25日迄
の約1ヵ月に渡り、諸行事が行われます。
特に盛り上がりを見せるのが宵宮(7/24)と本宮(7/25:祭神:菅原道真の命日)で、毎年130万人もの人が訪れます。
日本三大祭(他は,京都の祇園祭,青森ねぶた祭りor東京の神田祭)の一つで,また,大阪三大夏祭り(他は,生國魂神社の生玉夏祭,住吉大社の住吉祭)の一つです。
歴史ある祭りで,千年以上も前の951(天暦5)年6月1日に始まり,
大阪とともに古い歴史を歩んできました。
この時の祭事は,社頭の浜から大川(旧淀川)に神鉾を流して,流れ着いた場所にその年の御旅所(祭場)を設け,そこで禊払い神事を行い,これが[鉾流(ほこながし)神事]の元となりました。
御旅所とは御神霊がご休憩される場所のことです。
この御旅所の準備ができると,御神霊は陸路で川岸まで出御,船で
奉迎し,乗船して大川を下り,御旅所へ向かうルートを辿りました。
この航行が[船渡御(ふなとぎょ)](神事)で,天神祭の起源とされています。
「陸渡御(りくとぎょ)」…色彩豊かな衣装を着た約3千人の行列が天満宮を出発し,乗船場である天神橋迄約3㎞を練り歩きます。
陸渡御を終えて、船渡御のために船に乗り込み、100隻あまりの船が水上をパレードします。
25日の本宮の夜、祭りの最後を飾るのが,神様に奉納する「天神祭奉納花火」で最大の見所です。
大川に多くの船が行き交う船渡御が行われ,菅原道真公の御神霊をお乗せした御鳳輦船(ごほうれんせん)を中心に,100艘を超える船団が大川を行きかう姿はまさに圧巻です。
辺りがだんだんと暗くなってきた頃、約5千発の花火が打ち上げられます。
文字の仕掛け花火などユニークな花火が打ち上がることでも知られています。
無数の篝火や提灯が灯り、約100隻の大船団のかがり火と約5,000発が打ち上がる花火とのコラボレーションはとても幻想的で、あまりの迫力に圧感されます。
この華麗な姿より火と水の祭典とも呼ばれています。
ギャルみこしも有名です。
⑶[ねぶた祭り]…大暑の終わり頃になると,東日本各地,とりわけ青森県の各地で行われ,この時期になると,ねぶた祭りを行う地域では大勢の人でにぎわいます。
かつては旧暦の七夕(7月7日)に行われていましたが、新暦を導入した明治時代から8月上旬に行うようになりました。
ねぶた祭は七夕祭りと精霊送りなどの行事が融合したものという説があります。
青森県内の約40以上の市でねぶた祭りがあると言われ,中でも「青森ねぶた祭」(8/2~7)「弘前ねぷた祭り」(8/1~7)「五所川原立佞武多祭り」がよく知られています。
祭りの始まりは,夏の盛りにおそってくる眠気を「あっちに行け!」
と睡魔を船や灯籠に乗せて川に流したことと言われています。
たくましい武者などをかたどった人形や武者絵のかかれた扇型の山車(だし)燈籠=「人形ねぶた」を引いて街を練り歩きます。
跳人と呼ばれる踊り手がねぶたの周りを取り囲み、「ヤーレ、ヤーレ、ヤーレヤ」「ラッセラー」「ラッセ、ラッセ」などの掛け声をかけながら踊る姿は壮観です。
主役のねぶたは大きいものだと,幅約9m,高さ約5m,重さ約4トンの巨大なものもあり、
約600~800個の電球をつけているものもあります。
最終日はねぶたを乗せた台船が海上運行すると、花火が打ち上げられ,祭りをさらに盛り上げます。
②「夏祭り」と言えば、やっぱり東北ですね♪
過ぎ行く短い夏を惜しむかのように,東北の夏祭りは熱く盛り上がります。
◎東北三大祭り…「ねぶた祭り」(青森県),「竿灯祭り」(秋田市)、
「七夕祭り」(仙台)
その他「盛岡さんさ踊り」(毎年8/1~4岩手),「花笠まつり」(山形),「福島わらじまつり」(福島)など、まだまだ東北地方のお祭りが続きます。
⑴竿燈(かんとう:秋田市)…正式名称は「秋田竿燈まつり」。
毎年8月3日~6日に行われます。
宝暦年間に真夏の病魔や邪気を払う「ねぶり流し」が原型と言われています。
十文字に組んだ長い竿にたくさんの提灯を付けた竿燈を持って練り歩くのが特徴で、
約270年もの歴史を持つお祭りとして知られています。
約280本の竿燈が練り歩く光景は壮観としか言いようがなく、約10,000個の提灯が夜を美しく彩ります。
竿燈の重さは約50キロにもなり、腕力に自信のある「差し手」が竿燈を持ち上げて歩きます。
手で持つだけでなく、竿燈を額の上にのせる芸当も見せてくれるので必見です。
昼に行われる「昼竿燈」では、差し手が竿燈を手のひら・額・肩などへ移し替える技を披露してくれます。
竿燈全体を稲穂に、連なる提灯を米俵に見立てて、額や腰・肩にのせて、五穀豊穣、除災などを祈ります。
竿燈の演技はもちろん,大迫力の「なまはげ太鼓」や「西馬音内盆踊り」を楽しむことが出来ます。
⑵仙台七夕祭(宮城県)…旧仙台藩内各地で,七夕にちなんで,
毎年行われている年中行事、及び祭りです。
1000年の歴史を持つ旧暦7月7日の行事で,七夕の始まりは,笹竹に飾りをつけて,翌朝,川に流していた行事が始まりと言われています。
仙台市で開催されている「仙台七夕祭り」が特に有名で、8月6日~8日の3日間行われます。
仙台駅周辺の商店街やアーケード等には巨大なくす玉のような色とりどりの大規模な飾り付けがされ,その他商店会毎の飾り付けや店舗・過程など個別の飾り付けなど市内各地が七夕一色になり,その美しい光景は観光客にも人気を集めています。
仙台七夕祭りでは,吹き流し・短冊・折り鶴・巾着・投網・屑籠・紙衣の「七つ飾り」が欠かせません。
七夕祭りは飾りだけでなく、期間中は勾当台公園市民広場で,和太鼓などのパフォーマンスや盆踊りなどの催しものや屋台が数多く出店して賑わいます。
⑶青森ねぶた祭り…上記参照
⑷その他
・「北海へそ祭り」…毎年7月28日・29日
・「渋川へそ祭り」…毎年7月第4金曜・土曜日
・「しれとこ斜里ねぷた」…毎年7月下旬
③日本三大盆踊り
⑴郡上八幡盆踊り(岐阜県郡上市)…毎年7/9~9/3まで,延べ32夜踊る伝統的な盆踊りとして知られています。
中でも8/13~16の4日間は「徹夜踊り」と呼ばれ,20時に始まり,明け方まで徹夜で夜通し踊り続け,大変盛り上がります。
江戸時代に始まった約420年の伝統を誇る盆踊りで,昔から身分に関係なく誰もが参加できたことから、踊りを見るのではなく,参加して一緒に楽しむ盆踊りとして人気を集めています。
見学している人より踊っている人が多く、みんなが一緒に楽しく踊っている姿を見ているといつの間にか踊り出してしまいます。
リズムや振り付けが異なる10種類の踊りがあり,踊りの種類が多いため,飽きることなく夜通し踊ることができます。
⑵西馬音内盆踊り(秋田県雄勝郡羽後町西馬音内)…毎年8/16~18迄3日間,西馬音内本町通りにおいて開催されます。=立秋
⑶阿波踊り(徳島県徳島市)…国内最大規模で,踊り子は約10万人が出場すると言われ、最も有名な盆踊り。
徳島が世界に誇る伝統芸能で,毎年8/12~15(4日間)お盆の時期に開催され,国内外から100万人を超える観光客が訪れるなど,日本有数のイベントとなっています。=立秋行事
④三大祇園祭
⑴祇園祭(京都市八坂神社)…上記参照
⑵会津田島祇園祭(福島県南会津町)…7月22日~24日にかけて行われる田出宇賀神社と熊野神社の祭典です。
京都の八坂神社の祭礼を取り入れて,現在の形になったと言われる800年続く歴史を誇るお祭りで,「子供歌舞伎」や花嫁姿で練り歩く「七行器行列」など見所がたくさんあります。
「お党屋」と呼ばれる祭事を担当する組によって運営されます(お党屋制度)。
大谷隊の舞台では町内や隣町などから募集した小学生~高校生迄の子供達による、子供歌舞伎が演じられます。
⑶博多祇園山笠(福岡市櫛田神社)…毎年7/1の飾り山笠公開~15日早朝の追い山まで、福岡市の博多区を中心に行われます。…終了
⑤[花火大会]…この時期は全国各地で大小様々な花火大会が開かれます。
特に「秋田県大曲」「茨城県土浦」「新潟県長岡」で開催される花火大会は、歴史の長さや規模の大きさから,「日本三大花火大会」と呼ばれています。
日本以外の国では空気が澄む冬,ニューイヤーで新年を祝う時などに使われるものですが,日本では,湿度が高い夏に行われます。
なぜ夏に行われるようになったのか諸説ありますが,最も有力な説
は,江戸時代の隅田川で行われた水神祭と言われます。
この時、享保の大飢饉とコレラの大流行により江戸の市民の多くが亡くなり、当時の病気は悪霊によるものと言う考えから、花火による亡くなった方への慰霊と悪霊退散の祈願を込めて行われたことが始まりだと言います。
翌年からこの花火を打ち上げる隅田川のお祭は「両国川開き」と言われるようになり,今の隅田川花火大会の源流となります。
少し暑いかもしれませんが,浴衣を着て,夏の風情を楽しみましょう♪
・隅田川花火大会…
・昭和記念公園花火大会…毎年7月最終土曜日
⑥[その他]
・「玉造温泉夏まつり」(島根県松江市)…
毎年7月の中旬から約50日間開催される夏祭りです。
・「夜の水族館」(福岡県マリンワールド海の中道)…
期間限定イベント
❷[風習]
①[浴衣]…平安時代,貴族が蒸し風呂に入る際,水蒸気でやけどをしないよう纏っていた「湯帷子(ゆかたびら)」が浴衣の始まりと云われています。
帷子とは麻の着物のことをいい,現代では,麻着尺の方が高価ですが、当時は綿の方が高級品でした。
江戸時代後期には綿の生産量も高まり,湯帷子も綿に変わりました。
また,銭湯の普及もあり,庶民にも綿の浴衣を着る機会が増え,
浴衣は湯上がりに着る室内着でした。
現在では「花火大会には浴衣で!」とイベント着のように若い方からも支持されています。
目にも涼しげな白地や藍地に波千鳥や秋の草花が染められた
古典柄,洋服感覚の鮮やかな色柄の浴衣など,雰囲気は変わっても,着物や浴衣の着姿は美しく,つい目で追ってしまうものです。
藍の浴衣の藍の香りは蚊など虫が嫌います。
暑い夏を快適に過ごすための日本人の知恵なのでしょう。
②[打ち水]…道路や庭に水をまいて,土埃を防いだり,その気化熱によって地面の熱が大気中に逃げることを利用して,涼を得たりすること(=納涼術)で、昔からの伝わる生活の知恵です。
この打ち水をすると,まわりの温度が1~2℃ほど下がるといった効果があります。
⑴元々は神様が通る道を清めるためのものでしたが,江戸時代には、主に涼を得ることが目的となりました。
⑵打ち水イベント…大暑の日に合わせて、各地で行われ、もう恒例行事となっています。
動物園の白熊達への氷のプレゼントや打ち水などのイベントは,この大暑の日に合わせていることが多いようです。
③[暑中見舞い](小暑〈7/7頃)~立秋の前日まで)
[歴史]…形は違えどもその歴史は古く,江戸時代以前にまで遡ります。
かつて人々は、一年を二期と考えていて,その始まりが,今で言うところの正月と盂蘭盆会(うらぼんえ)だったのです。
そして,その期の始まりに,贈答品を持ち,挨拶まわりを行い,相手を気遣い,また,その期の感謝をするのです。
これはとても重要な事とされ,江戸時代では,武家仲間から親戚関係,更に近所の家を元旦から1月末まで,毎日まわり続けた人もいた程だったそうです。
遠方の方への気遣いと感謝は飛脚便を使っていたのだそうです。
そして今のように手紙でご挨拶するようになってのは、明治39年に郵便制度が確立されてからのようで、まずは年賀状が普及して、その後大正時代に、暑中見舞いも普及したそうです。
④[夏土用]
夏によく耳にする「土用」ですが,四季それぞれの季節に設定され,
立春,立夏,立秋,立冬の前の約18日間をいいます。
これから迎える立秋の前を「夏の土用」といい、最近では「土用の丑の日」で「夏の土用」が一番知られています。
⑴夏の土用の時期は一年で最も暑くなる大暑の期間中です。
⑵古来より,この頃海で発生する大きな波を土用波と言っていましたが,台風の影響で発生する波のことです。
⑶土用東風(どようこち)…夏の季語でもあり、晩夏にさしかかる土用の頃に東から吹く風のことをいいます。
土用の期間に吹く風の名称です。
⑷夏の土用の頃は陽射しが強く、土用干しといって衣類などの虫干しをします。
⑸「土用の食い養生」といった風習があり、「土用餅」「土用蜆(しじみ)」「土用卵」を食べて,精をつけ,厄よけをすると,夏バテ防止にもなります。
㊀[土用餅]…土用の入りには、暑気払いとして,あんころ餅の「土用餅」を食べる地域もあります。
力の出る餅と邪気を祓う小豆をいただけば、夏バテ知らずで過ごせそうです。
㊁[土用蜆]…日本で食用となっている蜆のほとんどがヤマトシジミで、「土用蜆」といわれ、夏が旬になります。
蜆はアミノ酸や各種ミネラルが豊富で、夏バテに効くとして江戸庶民から愛されました。
㊂[土用卵]…土用の時に産み落とされた卵は,特に精がつくとして,「土用卵」の名前で珍重されました。
「卵」は,必須アミノ酸をバランスよく含み,良質な蛋白質が豊富な
完全栄養食品で,江戸時代の頃から元々滋養強壮の健康食品
として取り扱われてきました。
⑸土用の丑の日…2021年…7/28(水)
暑さが厳しい土用の間の丑の日を土用の丑の日として重視してきました。
㈠この日にお灸をすえたり、薬草風呂に入ったりすると、病気の回復や夏バテに効くとされたからです。
㊀江戸時代から「丑湯」といって,土用の丑の日に入浴すると,夏バテの予防や疲労回復に効果があるという風習があります。
・「丑湯まつり」を開催する温泉地もあるようです。
・過度な冷房などが原因で夏バテ気味の時は、ぬるめのお湯に長めに入ってリラックスしましょう♪
好みの香りの入浴剤などを使うのもお奨めです。
㊁土用灸(お灸をすえる)という風習もありました。
㈡夏土用の丑の日の行事食…土用の丑の日に「ウ」のつくものを食べると,身体に良く,病気にならないという言い伝えもあります。
㊀ウナギはその代表格で「土用の丑の日にはウナギを食べる」
土用の丑の日は一年で最も暑くなる大暑の期間中に訪れる時期
なので,その時期を元気に乗り越えるために,ウナギを食べると良いと言われています。
土用の丑の日にウナギを食べる習慣は江戸時代に平賀源内が
鰻屋のために発案したことが始まりと云われています。
ウナギは,蛋白質,ビタミンA,鉄分,カルシウム,ミネラル,
良質な脂質のDHA,EPA等の夏バテ防止に効果のある栄養素
をバランスよく含んでいて,蒸し暑い中でも食欲をそそり,夏バテ防止のスタミナ食に最適です。
ウナギは、実は一千年も前から食べられていたそうで、万葉集にはこのような和歌も残されています。
「石麻呂に われ物申す 夏やせに 良しという物ぞ むなぎ(武奈伎)取り召せ」 大伴家持
「石麻呂さん,あなたのように夏やせした人には良いそうですから,ウナギをとって食べて下さい」と,夏バテに苦しむ人に,ウナギを食べてはどうかと進言しています。
高蛋白でビタミン豊富なウナギは、当時から夏バテの予防として食べられていたのです。
「むなぎ」は、うなぎの古名で、語源は諸説ありますが、細長いので「ム (身) ナギ (長)」、胸が黄色いので「胸黄 (ムナギ)」となったと言われています。
また、一般的には「土用の丑の日」といえば、 ”夏”=”ウナギ” を連想されることが多いかと思いますが、天然ウナギの旬は、晩秋~初冬にかけてです。
㊁ウナギの他に「ウ」のつくものは…
・疲労回復や食欲増進の効果がある[梅干し]、
・夏でもツルッと食べられ,消化の良い[うどん]、
・夏に旬を迎える水分の多い「ウリ科の野菜」(瓜:キュウリ,スイカ,カボチャ,苦瓜)」,
・馬肉(うま),牛肉(うし)など様々です。
↓土用についての詳細は
◎夏土用7/19~8/6 大きな変化はやめ,動かないで,運気を蓄えましょう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12609339118.html
⑤7月23日(大暑の日)は「天ぷらの日」!
大暑の日は最も暑くなることから,ウナギと同様,夏バテ防止の為に
「大暑の日に,栄養満点で精(スタミナ)のつく天ぷらを食べて
厳しい夏を乗り切ろう♪」という意味があるようです。
今は毎月23日が「天ぷらの日」とされるようですが、その起源は大暑の日の7月23日にあるそうです。
大暑の日になると、飲食店やスーパーなどでは、天ぷらが一押しメニューとしてPRされ、スーパーなどでは天ぷらがたくさん売られています。
「天ぷら」は江戸発祥の料理で、一般に知られるようになったのは江戸時代後期からで、屋台の食べ物として江戸庶民の人気を集めました。
ウナギと同じように、盛夏食欲が衰える時に、栄養価の高い食べ物として喫食する風習がこの頃から根付きました。
天ぷらを食べる意味ですが、食材を調理する方法は焼いたり,煮たりと様々ですが、天ぷらにして揚げると,衣をつけて揚げることで,食材の栄養を閉じ込めたまま調理ができるので,栄養素を逃がさないそうです。
天ぷらと聞くと,油物なので,逆に食欲減退に繋がってしまいそうな
気がしますが,栄養を身体に取り込むことができるので、疲労回復に効果があるのです。
⑥[鱧料理]…「祇園祭」の時期食され、京の夏の風物詩で、
特に祇園祭には欠かせないご馳走です。
鱧はこの時期旬で、脂がのり身は淡泊でしっとりしています。
骨切りしたやわらかい刺身、梅味噌の湯引き、鱧しゃぶ、鱧皮とキュウリの酢の物など京都人の舌を楽しませてくれます。
このように,暑い夏を乗り切る為に,いろんな工夫があったんですね♪
・・・・・・・・・・・・・・・・・
このように様々な行事イベントがあるのが,大暑の特徴でもありますが、やはり体調を崩しやすい時期でもありますので,皆さんもお身体にお気をつけてお過ごし下さい。
◎[24節気:大暑…7/22(水)~8/6(木)…の過ごし方]
❶7/22(水)17:37[24節気:大暑~8/6]1日1度宇宙を楽しく進もう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12612282482.html
❷行事&イベント[24節気:大暑7/22~8/6]1日1度宇宙を楽しく進もう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12612333722.html
➌旬のもの[24節気:大暑7/22~8/6]1日1度宇宙を楽しく進もう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12612457329.html
➍養生法[24節気:大暑7/22~8/6]1日1度宇宙を楽しく進もう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12612554327.html
◎夏土用7/19~8/6 大きな変化はやめ,動かないで,運気を蓄えましょう♪
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12609339118.html
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