【夏の養生は…心気を保養すること】
【1】➊「養生」とは?…
病気にかかるずっと手前の健康な状態の時から実践していくことで,病気にかかりにくく,かかっても軽く済ますことができる生活方法のことです。
また、五感を研ぎ澄ませて,ご自分の身体の声を聞き,心身ともに健やかに暮らすのが養生です。
身体は,病気や怪我をした時だけじゃなく,いつも健気に頑張っています。
冷え症や肩凝りのような何気ない不調の原因こそ、きちんと原因をつきとめめるよう意識しましょう♪
このような体調不良は,生活習慣が原因で引き起こされています。
「養生」は決して難しいことではなく,「養生」には特別な機械やサプリメント、手順を覚えなければならない複雑なマッサージや体操等も必要ありません。
季節や体質に合った適切な保護を生活習慣に加えることで,身体のパワーを増してあげる方法,それが健康な時に行う「養生」です。
毎日をリズミカルに過ごし,体内時計を一定に保つことによって,様々な体内の環境を一定に保つことができるのです。
この積み重ねによって,体力がだんだん増していって,余力が増えます。
養生によってわかるようになってくる「ほんのちょっとの不調」を東洋医学では「未だ病ならず」という状態:「未病」といい、これがわかることが何より大切なことです。
「未病」の対義語が「已病」で、これは、「已に病となっている」という意味です。
今は多くの人が長生きするようになりました。
「未病」に鈍感な状態で年を重ねてしまうと、大きい病気をしてしまって、老後の生活で不自由をするかもしれません。
楽しいことを目いっぱい楽しむためには、養生を知って実践することです。
お金もかからなくて、効果が高いです。
➋【食養生の基本】
養生の考え方では
㊀「季節に合わせて、旬のものを食べる」
㊁「体質に合わせて食べる」
㊂「食べ過ぎない(腹6分目)」
㊃「よく噛んで食べる」
のこの四つが大切です。
⑴季節外れのものを食べないことは,身体にとってとても大切なこと
です。旬ごはんを食べると、元気になります。
⑵食べ物の性質を知るのと同じ位大切なのが,調理法の影響です。
「生→湯がく→茹でる→蒸す→煮る(煮込む)→炒める→揚げる」の順に、温め効果が高くなります。
体質を判断して、それに合わせた生活(食生活)を送ることが大切だと考えています。
大まかにいえば、体が「冷」か「熱」、「乾」か「湿」のどちらに傾きやすいかの組み合わせで考えます。
体質の分類は、冷乾・冷湿・熱乾・熱湿の四分類に、特殊な状態として、血液がうまくめぐっていないことを示す「瘀血」の状態を加えて五分類としています。
⑶東洋医学では,何事も中庸を最上とし,過剰なもの(食べ過ぎ)はマイナスと同じだと考え、ちょうどいい量を越えたら,全く意味のないことになってしまいます。
それと、隠れた食べ過ぎというのもダメです。
おやつも食べたいから、三度の食事を減らして、カロリーの帳尻を合わせたり、アルコールが飲みたいけれど、太りたくないからと,食事自体を完全に抜いたりすることです。
水分を取り過ぎると、体内で滞って「痰飲」という状態になり、身体が重だるくなったり、気分が憂うつになったり、消化がおかしくなったりします。
⑷どんなに身体に良い食事でも,おいしくなければ長続きしません。
季節に沿った食べ方の知恵を知って,健やかな身体と心を手に入れましょう♪
【2】『夏』とは?
中医学でも,24節気の5/5の「立夏」~8/7の「立秋」の前日までの約3か月間を『夏』としています。
●【夏の特徴】
①【夏季】の24節気夏季は…下記の六つの節気を経て、立秋までの三ヵ月をいいますが、「夏三月、此謂蕃秀、天地気交、万物華実」,天の気は降り,地の気は昇り,天地の気を交し,「風調雨順」なので、植物は花咲かせ,実をつけます。
㊀立夏(りっか,5月6日頃)…山野に新緑が目立ちはじめ、風もさわやかになって、いよいよ夏の気配が感じられる頃です。
㊁小満(しょうまん,5月21日頃)…草木が茂って天地に満ち始めるという意味。陽気が盛んで、田に苗を植える準備を始めるなど、万物がほぼ満足する季節といえます。
㊂芒種(ぼうしゅ,6月6日頃)…芒種とは芒(のぎ)のある穀物、すなわち稲を植えつける季節を意味しています。
この季節、農家はことのほか多忙をきわめます。
㊃夏至(げし,6月21日頃)…一年中で昼の長さが最も長く,夜の長さが最も短い日。農家は田植えに忙しい季節です。
夏至の頃は陰陽でいうと,最も陽気が強い時なのですが,ジメジメした梅雨の時期でもあります。
梅雨時期は雨が降らなくても,連日湿気が多くなります。
高温多湿の日本では,暑さよりも湿気が不快に感じる季節です。
㊄小暑(しょうしょ,7月7日頃)…夏至を境に日脚は徐々につまってきますが,暑さは日増しに加わってきます。
㊅大暑(たいしょ,7月24日頃)…気候的にも梅雨明け後の,最も暑気の激しい頃。【夏の土用】はこの節気に入ります。
夏と秋の大暑,立秋,処暑,白露の四節気の間は『長夏』という,一年中で一番暑く,雨水が最も多い季節となるため,万物が生長する季節となります。
②方向は南、色は赤、真っ赤な太陽がこの季節を象徴します。
③『素問・四気調神大論』には,「夏の3ヶ月になると,繁茂にして穂を出す」と言われ,「天と地の気が交わり,万物は花が咲いて実を結ぶ」とあります。
④夏は天地陰陽の気が盛んに交わり,自然界の活動は活発になり,万物が「生長」「繁栄」する季節であり,万物が茂り,花咲き乱れ,陽気が最高になる時期です。
また、この季節は身体の新陳代谢が最も旺盛になります。
➄アジアモンスーン地帯に属する日本は,一年中を通じて雨が多く,湿度が高い国です。
従って,日本の夏は同じ緯度の諸外国と比べても,大変蒸し暑く、
しのぎにくいと言われています。
高温多湿という日本の気候は、日本人の体質にも際立った特徴を与えていて,「島国の日本人は湿邪に侵されやすい」です。
言い換えると,水分の排泄が悪く,体内に余分な水分を抱え込んでしまうことで,漢方では,このような水分過剰な状態を水毒証(すいどくしょう)といいます。
⑥夏は太陽の季節。一年中で最も体力を消耗する季節です。
【3】夏の養生法は?
夏の時季は、自然界の活動は活発ですが,私達人間は,気分が落ち着かず,精神的にも不安定になりがちです。
夏を快適に過ごせるよう,様々な解決法が考えられる中で,夏の養生法が出来上がってきました。
漢方で夏は,「万物が繁栄し,花咲き実る実る季節」と位置付けられ,『長』という言葉で表わされるそうです。
中医学では「夏は心気に相通じる」と言われ,『早寝早起き』と『静養』が大切な季節です。
夏の養生は『清補(セイホ)』といって,「体内にたまる熱を冷ましておく」ことを基本にしますが…
①早寝早起き
②適度な発汗
③外出を楽しむこと
④カッカしないこと…が大切です。
夏は昼の時間が長いので、早起きで陽気を発散して、精神状態を穏やかに保てば、健康状態が優れます。
このように夏の旺盛な陽気に応ずることが養生の道です。
①早寝早起きをして,十分な睡眠をとりましょう♪
②適度な発汗をしましょう♪
身体も植物の開花同様に,体内の陽気が自然に開いているので,適度な発汗をし,皮膚を通じて,外に出せるようにしましょう♪
⑴花が綺麗に咲き誇るように陽気を外で発散して,発汗によって,不要な熱を身体の中にためないようにしましょう♪
⑵大量の汗は,心臓の陽の気を傷つけますので,激しい急な運動はNGです。
⑶夏は汗が多いので,酢をたくさん摂りましょう♪
㈠酢は細菌を抑えることができ,胃腸の伝染病に対して,予防の作用もあります。
㈡多く酢を飲むと,胃腸の消化と吸収を助けることができ,食欲を促進することもできるし,疲労を改善し,精力を維持することができます。
③外出を楽しみましょう♪
⑴暑いからといって、室内にばかりいると,身体に不要な熱がこもりますので,外に出るようにして,内にこもる熱を少しでも発散することを心がけましょう♪
⑵太陽の日差しを嫌がらず,太陽の光に感謝し,戸外で朝日に向かって,新鮮な空気を吸い込み,新陳代謝を促進させましょう♪
④カッカしないようにしましょう♪
心はカッカせず,気長に,楽観的に保ち,焦ったり,怒ったりしないようにしましょう♪
⑴中医学では,夏は五行の「火」に属し,心気に通じ,夏の養生は心気を保養することがとても大事です。
そのため,自然に順応して,“万物生長,心気旺盛”の特徴によって,「心を静める」ように調節すべきであり,心を穏やかにし,怒ってはいけない,常に楽しい心情を保ち,内臓の陽気を保護することが重要なことです。
⑵穏やかに過ごすと,身体に不要な熱がたまりにくくなります。
(「心静自然涼」と言い、心を静めれば自然に涼しい。)
⑶なので,夏の季節は,気楽に笑い,喜びましょう♪
そして,粗暴さや悲しみを避けましょう♪
➄心情として…春に出たやる気を伸ばすように,向上心を持ち続けましょう♪
夏は,冬に育み,春に芽吹いた活動を形に表し,自分の本領を発揮する時です。
できることは,思い切り,やり切りましょう♪
今がピークの時期なので、力を出し切るべきです。
長い年月をかけた計画を実行し,形にするまで頑張りましょう♪
きっと花が咲くでしょう。
上記が基本ですが,実は「夏を元気に乗り切る」ということには,「暑さ」と「湿気」から身を守る工夫が必要となります。
➋体内の陽気が衰えないように保つには?
身体は,自然界の成長,実りに合わせ,陽気の成長の時期になるため,保養することが重要です。
暑さから逃れるために,無闇に涼を求めたりせず,体内の陽気が衰えないよう保つようにしましょう♪
①暑さ(暑邪)によるトラブル
「暑」は夏の主な気候で,その特性は「陽邪」で,「炎熱,上昇,発散」という特徴があります。
これらの「暑邪」の特徴により,毛穴が開き,汗はかきやすいです。
⑴暑さから身を守り,津液の消耗に注意しましょう♪
㊀たくさんの汗をかきすぎると…
水液の代謝が乱れて,気血,津液が消耗し,損傷されてしまいます。
㊁津液が消耗し,損傷されると…
・身熱,面赤,多汗,口渇,(唇や舌が渇く)
・大便が硬くなる,尿が黄色くなる,尿が少なくなる
・気分が不安定になり,けだるくなる等
といった水分不足の症状が現れます。
㊂津液の消耗がひどくなると…
息切れ,脱力,イライラ,夏バテ,ショック等の症状を起こします。
㊃津液の消耗が水液代謝の限界を超えると…
気を失って倒れることもあり,更には生命の危険を生じることもありますので,夏は暑さを防ぐことが第一です。
⑵暑気あたりによるだるさ,疲れ,夏カゼ等も多くなります。
⑶水分の取り過ぎから,胃腸の働きが弱り,食欲不振や下痢を起こしやすくなります。
暑邪によるトラブルの対処食養生
「トマト」「キュウリ」「ナス」「ピーマン」「オクラ」等の夏野菜には,過剰な熱を循環させ,発散させる働きがあります。
②湿邪によるトラブル
⑴特に「梅雨」や「土用」「長夏」の頃は湿気を防ぎましょう♪
「土用」「長夏」の頃は,高温で湿度も高い日が続きます。
この時季は汗が出にくかったり,汗をかいても直ぐには乾きませんし,汗で湿った衣服や雨に濡れたり,住まいの湿気等が原因で,身体にも「湿」がたまりやすくなり,『湿毒』を受けやすくなります。
すると,「湿邪の重濁性」により,身体がだるく,重たい感じになり,むくみや食欲不振,疲労感なども引き起こします。
やる気がない等の心の不調も「湿邪」のせいです。
(東洋医学の世界では,この湿気によって引き起こされる不調を「湿邪」と呼びます。)
㈠湿毒が身体の浅い部分を侵すと…関節が重い感じで,動かしにくく,身体全体が疲れた感じがします。
㈡湿毒が身体の深い部分に入り込むと…身体の気の流れを阻害され 【脾胃の陽気】を傷めやすいです。
消化吸収の働きをしている脾臓の活動が衰え,口が粘つく,食欲不振,腹が張ったり,腸がゴロゴロ鳴ったりという症状が現れます。
・頭痛頭重,目やに,胸悶、食欲ない,吐き気,嘔吐,膨満感,だるい等の症状がよく見られます。
・下痢,湿疹,腰痛,脚のむくみや痛み等の症状がよく現れます。
・その他、夏になると、細菌が繁殖しやすくなり、食物が腐り易いため,食中毒の発病率が高くなります。
・粘滞性の特徴により、病程が長くなります。
この状態が続くと,痩せ衰え,精神的にも不安定になるといったことになります。
㈢女性は元々体質的に陰気が強く,例えば冷え症や貧血もそうですし,電磁波,放射能,化学物質,精製された食物や添加物みたいなものも陰性に入ります。
世の中的にも,現代という時代は,断然「陰」の要素だらけなのです。
個体差はあれど,陽気を強くすることが身体のバランスを整えるのに必要です。
※なので,「梅雨」や「土用」「長夏」の時季は特に湿毒を防ぐように心掛けましょう♪
⑵この時季の養生は脾臓を保養し,脾臓機能を高めることが大切です。
「甘味」は長夏の主味であり,脾臓を養う働きです。
飲食面では「行気利湿」と「益気健脾」の作用の食材を中心にし,脾臓の働きを促進させ, 揚げものや脂っこいものを控え,あっさりとした食事を摂り,水分やミネラルの補給に気をつける事ことも重要なことです。
③冷えにも気をつけましょう♪
夏の暑い時は,長時間冷房の部屋に居続けたり,絶えず冷たいものを飲んだり,野外で寝たり,風に当たったまま転寝したりということのために,夏風邪をひきやすくなったり,冷えを訴える冷房病になったりすることに注意しなくてはいけません。
風邪の原因である風寒の気が人体に入ると,四肢が麻痺したり,腰や膝が痛くなったりという症状を引き起こします。
高血圧や狭心症,動脈硬化,心筋梗塞等の持病のある人が,夏にこうした寒冷の刺激を受けると,血管が痙攣して,血圧が上昇し、持病を再発させたり,悪化させてしまいます。
なので、夏は「冷え」にも用心が必要です。
❸湿邪によるトラブルの対処食養生
【水毒】と【脾虚】というのが,私達日本人の体質の特徴です。
夏(梅雨も含め)の食養生もこの体質的弱点を補い,是正するのが重要となります。
①3つの重要なこと
㊀「夏は特に胃腸が弱る」ので,「少しでも消化の良い物を食べて,胃腸に余分な負担をかけないこと」です。
㊁「冷たい物は胃腸の働きを弱めるので,なるべく温かい食物をとること」です。
㊂「余分な水分の摂取はなるべく控えて、利尿効果のある食物をとること」です。
②対処食養生
⑴【外湿】への対処食養生法…
湿気の多いジメジメとした季節は,湿邪が身体に入りやすくなり,様々な不調が現れます。
湿邪には重いという特徴があり,また,陰の邪気にあたるため,陽気の動きを鈍らせ,その結果,頭や身体が重い,頭がすっきりせず,身体の動きが鈍くなってきます。
※なので,旬のものを食べましょう♪
旬の食材には,身体にこもった余分な熱を冷ます,水分の代謝を良くする,胃腸を元気にする等,役立つ働きがあります。
夏野菜として代表的な「キュウリ」「トマト」「ナス」等は,どれも身体を冷やす食性(涼性)を持っています。
★症状別対処法
㈠むくみを解消するには?
普段から血行が悪く,水分代謝が悪い人は,湿邪の停滞で,さらに悪化し,身体の【むくみ】が強く出てきます。
★【〈むくみ〉を解消する食材】…
「トウガン」「ハト麦」「小豆」等の【利尿作用】のあるものがお薦めですが,「体を冷やす涼性のものが多い」ので,「ショウガ」や「唐辛子」等の香辛料を一緒に摂ると良いでしょう。
●[料理]…特に、梅雨時期は身体が重だるい上に,下半身は冷えていて,頭には熱がこもりやすいので,「鳩麦」「小豆」「ハスの実」「白キクラゲ」等の水はけの良い食材に,むくみ予防に良いとされる【陳皮】を振りかけた生の野菜ではなく,火が通っている食材の薬膳サラダがお薦めです。
※【陳皮(ミカンの果皮)】は…整腸作用だけでなく,「免疫力UP」や「利尿作用」「むくみ解消」等,梅雨の季節に最適のスパイスです。
お酢に漬込んで,ドレッシングとして利用したり,胡椒とブレンドして湯豆腐にかけたりと,気軽に振りかけて使うことができます。
振りかけて使えるスパイスはあまり多くないので,是非気軽に使ってみましょう♪
陳皮には紫外線による皮膚コラーゲンの分解を抑制する働きもあるので、美白効果も期待できます!
㈡肌荒れを解消するには?
「湿」という特徴から現れやすいのが,皮膚のトラブル(分泌物が多くジュクジュクする,赤みの強い吹き出もの…)です。
毎年夏の肌荒れに悩まされている方は、辛いものです。
食欲を促すのではなく,余分な熱を抑える工夫をしてみましょう♪
東洋医学では,「赤みの強い吹き出もの」の原因,身体の状態の一つに「血熱」(熱が「気・血・水」の中の「血」にまで影響を及ぼした状態:「ドロドロ血」状態)というものがあります。
「血熱」となる大きな原因は,ストレスと食生活(特に辛いものや
脂っこいもの)と暑い夏で,高血圧や糖尿病や肌荒れ等の症状を悪化させるとも考えられています。
なるべく熱がこもらないようにするには,食生活の改善や睡眠時間、運動など生活リズムを改善できるのが一番ですが、熱を冷ます・抑える効能のある食材を摂り入れるのも重要なことです。
★【身体の余分な熱をとる『清熱』の効能のある食材】は…
「キュウリ」「西瓜」「ゴーヤ」「ナス」「ピーマン」「緑豆」「豆腐」「バナナ」「オレンジ」…等です。
★【『清熱』に加えて「涼血」(「血熱」を抑える)の効能のある食材】は…「蓮根」「茄子」「キクラゲ」「セロリ」「空芯菜」「ヘチマ」等があります。
○【薬膳でみる空芯菜の効能】は…「清熱涼血」「解毒」「利尿」
「利湿」…余分な熱を抑え,余分な水を排出し,余分な湿をとり,解毒するという,まさに夏にもってこいの野菜です。
・[栄養的]にも…ビタミンA,B,Cやカルシウム,カリウム等は,ホウレン草の2~4倍も含み,食物繊維や鉄分,蛋白質も豊富で,腸内細菌のバランスを調え,便秘,食中毒・糖尿病・熱射病の予防,美肌効果もあると言われています。
㈢体内の湿邪を発散するには?
○湿は下にたまります。
・尿のトラブル…尿の濁り,残尿感,排尿痛…等膀胱に負担をかけないようにしましょう♪
・女性はオリモノが多くなることもありますので,なるだけ清潔にし,通気性を良くしましょう♪
・湿邪が身体に停滞していると,舌に苔が溜まりやすく,口の中が粘々しますが,これは要注意です。
湿邪は溜まってしまう前に,毎日少しずつ取り除くことで、症状を抑えることができますので,下記の利尿作用のある飲み物や香りの良い食材を選んで,湿邪を発散し,身体に溜めないように注意しましょう♪
★【体内の水分調節(利尿・利湿→水だし)をする食材】…
・「大麦」「ハト麦」
・豆類…「小豆」「黒豆」「緑豆〈空豆」「エンドウ豆」「インゲン豆」「サヤインゲン」「枝豆」「グリーンピース」「落花生」「豆腐」「緑豆春雨」「緑豆もやし」
・「ナス」「アスパラ」「高菜」「シソ」「トウモロコシ」「トマト」
・うり科の食材:「キュウリ」「冬瓜」「スイカ」「スイカの皮」
・「メロン」「ブドウ」
・「お茶」「コーヒー」「ココア」など
「キュウリ」「スイカ」「スイカの皮」「グリーンピース」「豆腐」「メロン」など
○【キュウリ】は…
・身体にこもった余分な熱や水分の滞りを排出します。
・また、喉の渇きを癒します。
・寒性で,気を降ろす作用があり,身体の熱を冷ます作用がありますので,身体の熱がこもりやすい夏やのぼせやすい人に向いています。
・【カリウム】が多く含まれており,利尿作用やむくみを取り,ナトリウムの排泄を促して,血圧を下げる作用があります。
・キュウリなどのウリ科の野菜に含まれる【ククルビタシン】は,胃液や唾液の分泌を促し、食欲を増進させます。
●[料理]
・「キュウリ」の酢の物、スティック野菜、
・「スイカ」「メロン」…カットフルーツ
・「スイカの皮」には,意外ですが,水の巡りを良くする効果がありますので,キュウリや冬瓜のように調理したり,漬け物にしたりしましょう♪
・「トマト」…サラダやトマトベースのパスタやリゾットなど
・「豆腐」…冷奴や豆腐麺など
いろいろな調理法を楽しんで,むくまないすっきりした夏を目指しましょう♪
㊁★【水分代謝をよくする食材】…冷たいものを控えて,「枝豆」「空豆」「小豆」「エンドウ豆」「インゲン豆」等の胃腸を冷やしすぎずに,を良くする腎臓の働き:水分代謝を助ける豆類を取り入れると,体内の余分な水を排出してくれて,スッキリ過ごせます。
○【空豆】は…
・胃腸の働きを高め、身体に溜まった余分な水分を排出して体力を向上させます。
・【カリウム】を多く含み、身体のむくみをとります。
・良質なタンパク質を含む為,肝機能を高める作用があります。
・ビタミンB1,ビタミンB2が含まれており,糖やタンパク質のエネルギー代謝を助け,また,「ビタミンB1は乳酸の排出を促す」ことから,疲労回復にも良いと言われています。
・普段食べる機会の少ないサヤの部分には食物繊維が多く含まれており,鮮度の良いものはやわらかいので,筋を取って,サヤごと焼いて食べるのもお奨めです。
●[料理]
・「小豆」「エンドウ豆」「インゲン豆」…塩茹で,温野菜サラダ,パスタの具等で。
・「(サヤ)インゲン」「ハト麦」…雑穀ご飯等で。
・「小豆」…和菓子類から摂取できます。
⑵【内湿】への対処食養生法…
㈠脾胃を丈夫にして,湿邪を撃退しましょう♪
内湿は主に脾胃の機能が低下することで,身体の内側から生じるものです。
脾胃は食べ物を消化,吸収して,栄養や水分を全身に運ぶと同時に,体内の水分代謝を管理する大切な役割を担っています。
この機能が低下すると,外湿を取り除くことができず,脾胃の機能はさらに弱くなり,内湿が生じるのです。
内湿が身体に溜まると,脾胃に関わる様々な症状が現れます。
脾胃の機能が低下するため,食欲がない,少ししか食べれない,胃もたれ,といった食欲不振や倦怠感に悩まされます。
湿邪の影響で,脾胃が弱くなると,顔色は黄色く,艶がなくなり,舌が腫れぼったくなる等の症状が現れます。
☆【脾胃】は柔らかくて,温かい物,脂肪の少ない物を好みます。
○この時期は…
㊀なるべく食材を加熱するようにしましょう♪
豆腐も冷奴ではなく,【湯豆腐】等にして食べるようにしましょう♪
胃の弱い方は,意識して,消化が良い物,温かい物を選ぶようにしましょう♪
・脾の働きを弱らせる脂っこいもの,甘い物は食べ過ぎないように注意しましょう♪
・梅雨に入ると,身体にたまりやすい「湿熱」で,「脾=胃」が弱ってきますので,胃に負担がかからないよう,揚げ物,油っ濃い物を避け,サッパリとした食事をよく噛んで食べることが一番重要です。
☆症状別対処法…
上記のような内湿を回復するには,脾胃の機能を健やかに保つよう補いながら,湿邪を取り除いていきます。
下記の3種類の食材をバランスよく取り入れましょう♪
㊀★【脾胃を元気にする食材】…
「アワ」「キビ」「大麦」「ハト麦」「黒米」「モチ米」「米」
「山芋」「サツマイモ」「ジャガイモ」「人参」「カボチャ」
「インゲン豆」「黒豆」「空豆」「枝豆」「落花生」「大豆製品」
「くるみ」「栗〈蓮の実〉」
「おくら」「キャベツ」「小松菜」「青梗菜」「トウモロコシ」「ナス」
「リンゴ」「サンザシ」「鶏もつ」
「生姜」「八角」「山椒」「カルダモン」「クローブ」「ナツメグ」等
●[料理]…
・ご飯類→白粥,リゾット,おむすびなど
糖質制限のために,米を控える人も増えていますが,よく噛むことを前提にいただけば,アミラーゼ等の消化酵素が体内で生み出され,胃や脾臓の消化吸収能力を高めてくれます。
早食いが気になる方は、お粥を選ぶといいでしょう。
・胃の経絡を刺激する陰ヨガポーズもお薦めです。
㊁★【脾胃を温める食材(発汗&発散作用)】…
「玉ネギ」「ネギ」「紫蘇」「香菜」「三つ葉」「ミョウガ」「シシトウ」「生姜」「ニンニク」「キムチ」「山椒の実」「小茴香」「柑橘類」…など
梅雨の時期は,気温はまださほど上がらず,冷んやりとした雨が降ることもあり,そんな時期は,「身体を冷やさない除湿を心がけること」が大切です。
㊂★【湿をとり除く食材】…
「ハト麦茶」「ヨクイニン」「トウモロコシ」「小豆」「鯵(アジ)」等
☆「ヨクイニン」…ハト麦の実から皮(殻)を取り除いたもの(中国)
体内の余分な水湿を排泄させ,尿の出をよくしたり,【むくみを解消する働き】がある他,肌荒れや吹き出物等の肌トラブル解消,美肌のための生薬としても古くから用いられてきました。
ハト麦は少し余分に茹でておいて,冷凍も可能です。
梅雨時には,特に,雑穀の一つとして,是非摂り入れていきたい食材です。
※お奨めは,身体にたまった余分な水分を取り除く力のある食べもの㊂や、湿気に弱い胃腸の働きを高める食材㊀ですが,身体を温めながら,気の巡りをよくしてくれるもの㊁をほどよく使うと、湿の停滞によって起こりがちな、胸のつかえ感や痛みを和らげるのを助けてくれます。
●胃腸が弱っている時の[料理]は…
○「小豆」や「ハト麦」をやわらかく煮て,「カボチャ」を加えた〈お粥〉を召し上がると良いです。
・カボチャの甘味が美味しいので、塩味だけで整えて下さい。
○身体を温めるうどんやにゅうめんを柔らかく炊いて,「カボチャ」や「人参」を加えて食べても良いです。
・「生姜」や「ネギ」を薬味として散らし,身体を温めて,【湿】を飛ばしましょう♪
○【「冬瓜」と「鶏肉」「ショウガ」のスープ】や【「カボチャ」のスープ】に「ナツメグ」や「シナモン」を振る。
○〈カツオ〉の美味しい季節ですから,温性の「ネギ」「ショウガ」「シソ」「ミョウガ」「ニンニク」等の薬味類をタップリ添えましょう♪
⑶カリウムをきちんと摂取しましょう♪
水分や塩分を排出してくれる【カリウム(野菜や果物類に多く含まれる)】をきちんと摂取することも大切です。
㊀[カリウムの働き]…ナトリウムと共に浸透圧を維持する。
ナトリウムによる血圧上昇を抑制する。
筋肉の働きを良くする、等々。
[ナトリウムの摂り過ぎ]は【高血圧】を招きますが,日本人の食習慣で食塩相当量の摂取基準を実行する事(病院の食事が摂取基準に沿った塩味)は困難と考えられています。
減塩に努めるとともに、ナトリウムの排泄を促して血圧を下げる作用のあるカリウムを積極的に摂る事が推奨されています。
㊁[カリウムの欠乏症]…普通の食事で欠乏する事はありませんが,夏場に大量の汗をかき,カリウムが汗と共に失われて起こる低カリウム血症が夏バテの原因と言われています。
利尿剤を長く服用して,カリウムの排泄量が増えると,脱力感や食欲不振といった症状が起こる場合があります。
㊂[カリウムの過剰摂取]…尿中に排泄されるので,心配ないです。
腎臓の機能が低下すると,カリウムの排泄が困難となり,高カリウム血症を起こす可能性があります。
腎障害がある場合は摂取量に注意が必要です。
㊃★[カリウムの多い食品]…
カリウムは、 野菜や果物、豆類等に多く含まれます。
○カリウムの多い食品ベスト32 (水分が40%以上)…
①パセリ1000②豆みそ930③ヨモギ890④昆布佃煮770⑤アボカド720⑥ひき割り納豆700⑦ホウレン草(生)690⑦ゆり根690⑨ザーサイ680⑩納豆660⑪キュウリのぬか漬610⑫ヤマトイモ590⑬銀杏580⑭大豆(ゆで)570⑭ホヤ570⑯中国栗560⑯里芋560⑱アシタバ(生)540⑱カブの葉のぬか漬540⑱焼き芋540㉑ニンニク530㉑モロヘイヤ530㉑カラシ菜漬け530㉔オカヒジキ510㉔鮎(あゆ天然/焼)510㉔ニラ(生)510㉗たくあん漬500㉘タイ(焼)500㉘カブのぬか漬(根)500㉘シソ500㉘チリソース500㉜あじ(焼)490
○【水分が40%未満のベスト8】…
①コンブ(乾)アオサ乾)4400⑤ベーキングパウダ3900⑥インスタント珈琲粉3600⑦アオサ(乾)3200⑧切干大根(乾)3200
※野菜や果物で余分な水分・塩分を排出するのも大切ですが,胃腸や脾臓に負担をかけにくいメニューを選ぶことも忘れないようにしましょう♪
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この時期の食養生としては,上記の★を積極的にとることが大切です。余分な湿の排出を促して,高温多湿なこの時期を快適に過ごしましょう♪
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【図書館カフェ ハビロード】の店主
【平井克也】の著書
『成功する人は、なぜ宇宙を語るのか。』が
2017年12月13日(水)、【徳間書店↓】から出版されました。
成功本、スピ本、宗教本等に書かれてある【宇宙の叡智とその実践の具体例】をたくさんわかりやすく書かせて頂いています。
必見ですよ♪
最後には、地球に生まれた人すべての人にとっての【真の成功】についても書かせて頂いています。
これも特に必見ですよ♪
この本は、面白くて、ためになるビジネスとスピリチュアルの深い内容のお話です。
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現在は【事前予約制】で、イベント、ワークショップ、お話会、
個人セッション、カフェタイム等を行っています。
お問い合わせは下記までご連絡下さい。
【図書館カフェ HABI ∞ ROAD 】 店主:平井克也
【ブログ】http://ameblo.jp/skmhirai/
【フェイスブック】(図書館カフェ)http://www.facebook.com/habiroader
(図書館カフェ)https://www.facebook.com/librarycafehabiroad/
【営業時間】9:00~21:00 (事前予約制)
【電話番号】 03-6380-5892 070-6439-3695
【メール】habiroad@gmail.com
habiroader@yahoo.co.jp
【住所】渋谷区千駄ヶ谷5-32-5 GSハイム新宿南口1階
■地図
【交通】JR「新宿駅」新南口から徒歩6分、
JR「代々木駅」東口から徒歩5分 、
地下鉄「新宿3丁目駅」E-7、E-8出口から徒歩3分
【店主】 平井克也
【フェイスブック】https://www.facebook.com/habiroad
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to HABI ∞ ROAD(いろんな幸せな道=彼岸への道)
毎日毎日、本当に幸せで、ありがたい
今起きていることは、自分に必要なこと
感謝すべきことしか、起きていない。
気付いて感謝、学んで感謝、成長して感謝 の繰り返しで、
だんだん 満たされているって、すべて愛だって…。
幸せだって 感じる
ありがとう ご縁に感謝 (byおじぞう)