十日夜(とおかんや)
本日,旧暦の10月10日,新暦の11月14日(日)は十日夜(とおかんや)です。
十日夜は、稲の収穫作業(刈り取り,乾燥,脱穀)が終わり、田んぼの神様が山に帰る日とされています。
旧暦の10月10日の夜,また,その日に,その年の収穫に感謝し,翌年の豊穣を祈って(願って),十日夜祭りとも呼ばれる【神送りの行事】が東日本各地で行われます。
北関東を中心に甲信越~東北地方南部にかけて広く分布し,「刈上げ十日」等とも言われ,西日本の刈上げ行事:『亥(い)の子(こ)』と対応する重要な農村行事の一つです。
稲の収穫を祝って、新米で餅(もち)やぼた餅を作り、それを神様にお供えし、そして、自らも食べます。
稲作の神様である「稲荷(いなり)」が音読みで「トウカ」とも言われることから,「トウカと十日をかけて、この日に秋の行事が行われる」との説もありますが,はっきりとしたことは分かっていません。
一方で,藁鉄砲打ちの唱えごとや月への供え物の習慣から、この行事は、水田での稲作のみに関わるものではなく,畑作祈願の要素も認められています。
➊地域毎の風習の違い
この日に山に帰る【田の神】に稲の収穫を感謝し,翌年の豊穣を祈って,餅やぼた餅を献じる(お供えして,おまつりする)点では各地共通していますが、下記のように,土地(地域)毎の特徴が見られ,地域によってかなりの風習の違いがあります。
①長野県…案山子上げ
長野県の一部では【案山子上げ(ソメノ年取リ,案山子の年取り)】といって,当日の晩に田から田んぼを見守ってくれた案山子 (かかし) をはずして,家へ持ってきて,農業道具と一緒に,内庭や土間等に,田の神の依代として丁寧に祀(まつ)って,供え物(餅やソバ)をしたりする習俗があります。
案山子に蓑笠を着せて,箒・熊手を両手に持たせ,餅や二股大根を供えてこれをまつります。
⑴諏訪地方では…『この日は案山子の神が天に上がる日』といい,
⑵南安曇地方では…『案山子が田の守りを終えて,山の神になる日だ』との伝承があります。
⑶東筑摩では…葉付きのダイコンと餅とを箕(み)に載せて,庭上に神を祭る所があります。
②群馬県・埼玉県…モグラ(土竜)除けの呪い
群馬県・埼玉県等では…【モグラ(土竜)除けの呪い】…
夕方から夜にかけ,子供が集団で各家を訪れ,「モグラの害を除去しよう」との意で,[藁(わら)鉄砲(藁を束ねたもの)]等で地面を叩いて歩きまわります。
藁鉄砲などで,土を打つ音を高く響かせ,農作物の敵のモグラやネズミ等の害獣を脅すのは、モグラやネズミ等の跳梁(ちょうりょう)を防ぐ呪法の儀礼化です。
その他,五穀豊穣を願う“呪い”としての意味合いもあり、昔は地面を叩いた時に「カーン」といい音がするよう藁鉄砲の中に里芋の茎を入れたともいいます。
【モグラ除けの呪い】の時の唱えごと(歌)は地域によって異なり、下記等のバリエーションが存在します。
⑴埼玉県秩父地方…「トーカンヤ、トーカンヤ、
朝そばきりに昼団子、ヨーメシ食ったら ひっぱたけ」
「トオカンヤ,トオカンヤ,トオカンヤの藁でっぽう,
夕めし食って,ぶっ叩け」
⑵埼玉県入間地方,川越市周辺…「トーカンヤ,トーカンヤ,十日の(又は“イノコの”)ぼた餅 生でもいいから 十(とう)食いたい」等
・秩父地方では…9日を『亥子(いのこ)の日』といい,11日に亥子餅を亥の神に供え,外では,男の子が藁鉄砲をもって土を叩いて遊びますが,この時の囃子言葉に『十日夜の御祝い』という所があり,十日夜は関西以西に分布する亥子の行事と同じで,田の神が田から家へ帰る日でした。
③福島県…田の神送りの日
・福島県を中心に…田の神送りの日だとし、2月10日前後の田の神降ろしと一対のものとみなしている所もあります。
この日,田の神が山へ帰るとして,餅をついて祀る地方もあります。
④【ダイコン(大根)に関する風習】
⑴東北地方を初めとした東日本広い地域ではこの日を『大根の年取り』『大根の年越し』と言って,「この日に餅をつく音やわら鉄砲の音で大根は太る」と言い,「畑へ入って,大根の太る(割れる)音を聞くと死ぬ」と言って,大根畑に入ったり,食べたりするのを禁忌している地方もあります。
⑵一方、埼玉県では,藁鉄砲で大根畑を叩き、「音に驚いた大根が抜け出してくる」「音を聞いた大根が背伸びをして大きくなる」のようにいう地域もあります。
⑶東北地方ではこの日にふたまた大根を大黒様にお供えします。
⑷長野県や群馬県では大根を田の神への供物とします。
⑸大根畑に七夕飾りの竹や桃の枝をさしておくと,虫がつかないという所も多いです。
➋十日夜と共通点が多い関西の『亥の子(いのこ)』
西日本の秋の収穫祭で,旧暦10月の亥(い)の日(2021年11月11日)に行われることから「亥の子」と呼ばれます。
この日に餅(亥の子餅)をついて農神に供えます。
①正月11日の仕事始や旧暦2月亥日などに田へ出た田の神が1年間の仕事を終えて帰るといい,家では新米の餅12個を枡に入れ,米蔵の俵へ供えてまつります。
②「亥の子餅」「玄猪(げんちょ)餅」とは…
イノシシの子供の瓜坊に見立てた餅のことで,古くは,大豆,小豆,大角豆(ささげ),ゴマ,栗,柿,糖(あめ)を混ぜて作られました。
子孫繁栄の意味合いが込められていて,この餅を「亥の日、亥の刻(21~23時頃)に食すと病気にならない」という言い伝えがあり、人々は子孫繁栄と万病除去,無病息災を願って,亥の子餅を口にしたそうです。
③中国から伝わった風習
一説によれば、この風習は中国から伝わったもので、平安時代には日本宮中行事「御亥猪(おげんちょ)」として催されていたとの記録もあります。
民間に広く普及し定着していったのは、その後のことです。
④亥の子づき
十日夜と同様の「亥の子づき」と呼ばれる行事も行われますが、
子供達が藁鉄砲でなく、円形の石に縄をかけて多くの枝縄をつけ,それを手に「亥の子、亥の子、亥の子餅ついて、祝わん者は鬼生め、蛇生め、角の生えた子生め」等と歌いながら,この縄を同時に引いて石をもち上げては落とし,家々の間口や庭をつき(叩き),お金や亥の子餅をもらって回ります。
十日夜や亥の子は、子供達が中心となる非常に珍しい行事です。
❸お月見
①十日夜は、新月から数えて10日目の月で,6割程度しか見えない月が出る日で,満月を楽しむ日ではありません。
別名,「三の月」とも言われます。
旧暦10月の十日夜は、十五夜(旧8月15日,中秋の名月,芋名月)、十三夜(旧9月13日,後(のち)の月,栗名月)と共に名月の日とされ、月見が行われます。
この3日間がすべて晴れると縁起が良いとされ、「三月見」として親しまれてきました。
②長野県などでは、田んぼを見守ってくれた「案山子」を庭にとり込み、お供えをし、月見を行ないます。
農家にとっては,十五夜、十三夜は秋の農繁期にあたり,ゆっくりと月見をすることも出来ませんので,その代わりに,十日夜に月見を行なっています。
③十五夜と同じく月に供え物をする所や
④この日の晴曇によって翌年の豊凶を占う所もあります。
➍十日夜の楽しみ方・過ごし方
①十日夜の日は、ススキを飾って、米や御餅をお供えして、気分を盛り上げて、お月見をしましょう♪
窓側やベランダで月を見ながら食事やお酒を楽しみましょう♪
②十日夜は、収穫祭の意味もあるので、この時期にとれた果物や野菜等をお供えしましょう♪
そして、収穫そのものをお祝いしましょう♪
また、秋は旬を迎える果物(ブドウ,柿,梨,リンゴ,イチジク等)が多いので、お供え物に果物を選びましょう♪
そして、お供えをした後はそれらを下げて,感謝しつつ,美味しく頂きましょう♪
中でも,ブドウには蔓(ツル)がある事から「神様との繋がりを強める」といった意味もありますので,ブドウを食べると縁起が良いと言われています。
③団子を作ったり、お餅をついてみたりしましょう♪
④旬を迎える果物が多いので、果物園に果物狩りに出かけてみ、ましょう♪
枝から直接果物をもいで頂く味は格別ですし,食べ物のありがたみや生産者さんへの感謝の気持ちを持つことができるでしょう。
➄十日夜に食べる食べ物は?
十日夜には特に決まった行事食はないのですが、案山子にお供えした団子やお餅を食べることが多いようです。
西日本の場合は、この日についたお餅を亥の子餅や亥猪餅と呼んで、行事食としている所もあるようです。
❺その他
■十日夜の民謡
*十日夜の民謡は、地域により
「とうかんや、とうかんや」のあとの歌詞が異なります。
節はほぼ同じです
「とうかんや,とうかんや,イネコノぼたもち,
生でもいいから持ってこい」
「とうかんや、とうかんや、大根もほきろ、菜もほきろ」
■俳句…《季 冬》
「十日夜 星殖え子らに 藁鉄砲」…大野林火
■現在の十日夜
現在では、月見以外の十日夜祭りは、十日夜の直前の土日祝日に行われる地域が多くなりました。
新暦の11月10日に祭りを行う地域もあります。
なお、十日夜の行事は、東日本を中心に行われていますが,西日本(京都など)でも行なわれている所があります。
■今後の十日夜の日時
・2022年…11月3日
・2023年…11月22日
・2024年…11月10日
■【田の神】は…祭日も農耕の段階に応じて春秋に分布し,特に田植時に盛んにまつられ,秋は稲の刈上げにまつられます。
春:田植え…「さなぶり(田植終了の祝い)」「さのぼり(九州:田の神が田植を終わって天に帰る日)」「さおり」(静岡県など,田植開始の日,田の神が天から降(くだ)る日)「さんばい降(おろ)し」等
秋:刈上げ…亥の子…西日本~太平洋沿岸を千葉,茨城,埼玉の一部に渡って分布する
十日夜…関東北西部~甲信越地方に分布する
田の神の石像が南九州に限って分布するのが注目されています。
■参考文献
「民俗の原風景」著者:大舘勝治 出版:朝日新聞社
「三省堂年中行事事典」著者:田中宣一,宮田登(編)出版:三省堂
『年中行事読本』著者:岡田芳朗・松井吉昭 出版:創元社
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