☆❶日本の秋の代表的な風物詩【中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)】は【9月21日(火)】です。
東京:月の出の時刻:18時07分、南中時刻(最も月が高く昇る時間):0時頃、月の入りの時刻:5時17分(国立天文台より)
21日の東京の夜の天気予報は[晴れ後曇り]なので、中秋の名月は拝めるかどうか?
最低気温は[19度]で、夜の降水確率は[30%]
⑴「中秋の名月」とは、[旧暦の8月15日の夜の月のこと]を言います。
(旧暦の暦月の日数は29日か30日のいずれかですから、15日は暦月の真ん中の日と考えることができます。)
⑵「仲秋の名月」という表現もあるが、これだと「旧暦8月の月」を指し、十五夜の月に限定されなくなり、秋を初秋(旧暦7月)、仲秋(同8月)、晩秋(同9月)の3つに区分した場合、旧暦8月全体を指します。
それに対して「中秋」とは「秋の中日」=旧暦8月15日のみを指します。
⑶加えて、中秋の夜に雲などで月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」、中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」と呼び、月が見えないながらもなんとなくほの明るい風情を賞するものとされ、「望(ぼう)」は満月を指します。
⑷俳諧では8月14-15日、16-17日の夜をそれぞれ「待宵(まつよい)」、「十六夜」と称して、名月の前後の月を愛でます。
※【十六夜(いざよい)】…16日目は、月が出てくるのをいざよう(ためらっている)ようだから。
この月は日没とともに東の空に昇り、明け方には西の空に沈みます。これ以降は月の出が約50分ずつ遅くなっていきます。
⑸旧暦8月15日は、日本の六曜で必ず仏滅になることから、俗に「仏滅名月」とも呼ばれます。
⑹英語圏では同時期の満月を表す表現として「Harvest Moon」や「Hunter's moon」があります。
☆❷【中秋の名月を愛でる風習】
⑴【中秋の名月を愛でる習慣】は、平安時代に中国から伝わったと言われています。
平安時代頃から貴族などの間で観月の宴や、舟遊び(直接月を見るのではなく船などに乗り、水面に揺れる月を楽しむ)で歌を詠み、宴を催しました。
また、平安貴族らは月を直接見ることをせず、杯や池にそれを映して楽しんだと云います。
⑵現代では、月が見える場所などに、薄(ススキ)を飾って、月見団子・里芋・枝豆・栗などのお供え物(=お月見料理)を盛り、御酒を供えて、月を眺めます。
㈠さらに、秋の七草や秋桜など、季節の草花で彩りましょう。
㈡「収穫の季節に豊作を感謝する」という意味あいが生まれ、その時期に穫れた野菜などもお供えするようにもなりました。
㈢月見団子の供える数には2つの説があります。
ⅰ【満月の数⇒12個(平年、閏年:13個)】その年に出た満月の数を供えます。
ⅱ【十五夜⇒15個】…十五夜だから15個(十三夜には13個)。15個の並べ方は、下から9個、4個、2個となります。
㈣【薄は神様の依り代】と考えられており、稲穂が実る前なので、稲穂に見立てた薄が選ばれたと云われ、神様への収穫感謝を表明しています。また、薄の鋭い切り口が魔除けになるとされ、お月見の後、軒先に吊るしておく風習も見られます。
㈤このように、お月見の由来はⅰ「最も美しく見える季節に月を鑑賞する」という意味と、ⅱ「神様への豊作祈願や収穫の感謝を表す」という意味合いもあります。
⑶この時期収穫されたばかりの[里芋を供える]ことから、十五夜の月を特に【芋名月】と呼ぶ地方もあります。
⑷沖縄ではふちゃぎ(吹上餅)を作って供えています。
⑸仏教寺院では、豊作を祈る満月法会を催す所もあります。
⑹この他にも戦前から昭和中期にかけて(所によって今日でも)、子供達が近隣の各家に供えてある月見団子や栗・柿・枝豆・芋・菓子類をその家人に見つからないように盗って回り、その年の収穫を皆で祈る(祝う)「お月見泥棒」という風習もありました(家人は子供たちの行いを見つけても見ない素振りをしました)。
☆❸【中秋の名月と満月の日付がなぜずれるのでしょうか?】
「[中秋の名月]には美しい月が見られ、その月は満月である」と思われている方が多いと思います。
今年は珍しく中秋の名月と満月が同じ日ですが,
昨年は,[9月13日(金)]が[中秋の名月]で、その翌日の[9月14日13時33分]が[魚座の満月]と中秋の名月と満月の日付が1日ずれています。
実は、中秋の名月と満月の日付がずれることは、昨年だけでなく,しばしば起こります。
では、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
月は地球のまわりを公転しながら、[約29.5日の周期で満ち欠け]を繰り返していますが、月の公転軌道が完全な円形ではなく、[少しつぶれた楕円形]をしているために、月は、この周期の半分の[14.75日]で必ず満月になるわけではありません。
月が地球に近い位置にある時には公転のスピードが速く、反対に、月が地球から遠い位置にある時には公転のスピードが遅くなるため、新月~満月までにかかる日数は[13.9日~15.6日]と大きく変化します。
上記の理由により、中秋の名月と満月の日付がずれることが起こりますが、中秋の日の夜の澄んだ秋空に昇る満月前後の丸い月は、とても明るく見ごたえがあります。今年の中秋の名月も、満月と遜色のない美しい月を楽しむことができます。
☆❹【その他のお月見】
①【九月十三夜】…今年の十三夜は、[10月11日(金)]で…日本独自の風習と言われています。
⑴旧暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、日本ではその夜にもお月見をする習慣があります。
⑵十三夜は、「後(のち)の月」、または、ちょうど食べ頃の大豆(枝豆)や栗などを供えることから、「豆名月」「栗名月」とも呼ばれています。
⑶江戸時代の遊里では、十五夜と十三夜の両方を祝い、どちらか片方の月見しかしない客は「片月見」または「片見月」で縁起が悪いと遊女らに嫌われました。二度目の通いを確実に行なうために、十五夜に有力な客を誘う(相手はどうしても十三夜にも来なければならないため)風習がありました。
⑷旧暦の閏月で閏8月または閏9月が挿入される場合に1年で十五夜または十三夜が二度現れることがあり、二度目についてはそれぞれ「後の十五夜」、「後の十三夜」と呼ばれていました。「後の十三夜」は2014年11月5日に171年ぶりに出現しています。
②【十月十夜】
旧暦10月10日の月は「十日夜(とおかんや)の月」とよばれ、「中秋の名月」と「後の月」に対しては「三の月」ともいい、この夜にみる月がその年の収獲の終わりを告げるとされました。
③【その他の夜】
天候次第で月を見られない場合もあるので、地方によっては、【月待ち】という風習があり、【十七夜以降】を【立待月、居待月、寝待月、更待月】といいいます。
※【立待月(たちまちづき)】…17日目は、さらに月の出が遅くなり、「まだか、まだか」と立って待つから。
※【居待月(いまちづき)】…18日目は、待ちくたびれて、座ってしまうので。
※【寝待月(ねまちづき)】…19日目は、もう床に入って待つから。
※【更待月(さらまちづき)】…20日目は、夜も更ける頃なので。
※【有明月(ありあけづき)】…26日目は、夜明け(有明)の空に昇るから。「有明月」は16日目以降の月の総称でもあります。
[二十三夜待ち]までを行う地域が多くを占めましたが、[二十六夜待ち]まで行う地域があり、「月光に阿弥陀仏・観音・勢至の三尊が現れる」という口実を付けて、月が昇る(深夜2時頃)まで遊興に耽けました。
この風習は明治時代に入ると急速に廃れていったとされています。
参照①https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E8%A6%8B
参照②https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/10-topics02.html
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