マイケルの伝説の講演@オックスフォード大学で➀から続く
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12519902790.html
ところで、これは私にとって生まれて初めての講演ですし,
皆さんもとても温かく迎え入れて下さったので,
もう少しお話ししたい気持ちになっています。
人にはそれぞれの事情があり,その意味で,統計が
自分の経験を通して理解できるということがあります。
「子育ては、ダンスのようだ」と言われます。
つまり「親が足を一歩踏み出すと,子供も一歩踏み出す」
という具合です。
ここから,私は『「親が再び、子供のために愛を捧げる」
だけでは,まだ道半ばだ!』ということに気づいたのです。
『子供の側も再び、親を受け入れるように準備する』
ということが不可欠なのです。
小さい頃,ブラックガールという名の変わった犬を飼っていました。オオカミとレトリバーの混血です。
番犬として役に立たないばかりか,とても臆病で神経質だったので,道行くトラックの轟音やインディアナ州を吹き過ぎる嵐の雷で,
気絶しないのが不思議なぐらいでした。
妹のジャネットと私は,この犬をとてもかわいがりました。
ですが,前の飼い主がこの犬から奪ってしまった「人への信頼」を
取り戻すことは,ついにできませんでした。
前の飼い主は,どんな物でかは分かりませんが,
この犬を殴っていて,それが何だったにしろ、
この犬の魂を抜き取ってしまうには十分だったのです。
今日の多くの子供達は,小さいうちに愛からの巣立ちを
余儀なくされた傷ついた子犬のようです。
親のことなど全く愛していません。
頼れるものは自分だけなので、独立独歩の性格です。
親を諦めて、人生に乗り出します。
さらに深刻な場合には、親に対して恨みや怒りをくすぶらせ,
親の側がいくら関係を修復しようとしても,
頑強に撥ねつけてくるのです。
ここにいる皆さんには,そのような過ちを犯してほしくありません。
ですから、私は、世界の子供達に、
『親を許してあげましょう』と呼びかけたいと思います。
今日ここにいる人から、始めましょう♪
無視されてきたと感じても、許してあげましょう♪
親を許し、もう一度,ひとの愛し方を教えてあげましょう♪
私にのんびりした子供時代がなかったと聞いても,
驚く人は少ないでしょう。
父と私との間の緊張関係は,よく研究されているようですから。
父は厳しい人で,ごく小さい頃から,
本当に厳しく,最高のパフォーマンスを強要しました。
愛情表現が極端に苦手で、「愛している」とまともに言ってくれたことは一度もありません。誉めてくれたことも皆無です。
素晴らしいステージを披露しても,出てくる言葉は「まあまあ」。
そして,まあまあな出来だったりすると,一言もありませんでした。
父はとにかく、、、(ごめんなさい、ティッシュを、、、すみません)、父はなんとしても,私達を
商業的に成功させようとしているようでした。
それにかけては、一流でした。
「マネジメントの才に長けていて,私達兄弟の仕事が軌道に乗った
のは,彼の強引な指導のお陰」という部分もかなりあります。
父にショーマンとして訓練された私は、
その下ではただの一歩も踏み外すことは許されませんでした。
でも,私が喉から手が出るほど欲しかったのは,「お父さん」です。
愛を示してくれる「お父さん」が欲しかったのです。
父は決してそんなことはしませんでした。
目をまっすぐ見て「愛してる」と言ってくれたことも,
一緒にゲームをしてくれたこともありません。
肩車も、枕投げも、水風船のぶつけっこも、
一切してくれたことはないのです。
そんな父ですが,4歳の頃,小さなカーニバルで,私を抱き上げて,
ポニーに乗せてくれたことがありました。
ほんのちょっとした愛情表現で,
父は多分5分後には忘れてしまったかもしれません。
ですが,その一瞬のお陰で,私の胸には父への特別な思いがあります。
子供というのはそんなもので、
ちょっとしたことが大きな意味をもつものです。
私にとっても、あの瞬間がすべてとなりました。
後にも先にも1度きりでしたが,この出来事のお陰で,父に対して、そして世の中に対して、プラスの思いを抱いたのです。
自分自身,父親になってから,ある日,「子供達-プリンスとパリス-が
大きくなった時,自分はどう思われたいんだろうか?」と自問しました。
もちろん、どこへ行くにも、
いつもあの子達と一緒にいようとしていたことや、
いつも最優先に考えてきたことを、覚えていてほしいと思います。
でも、あの子達の人生に試練が待ち受けているのも事実です。
パパラッチにつきまとわれるので、
公園や映画にいつも一緒に行けるわけではありません。
あの子達が大きくなって,「私のことを恨んだら?」
「パパの決断のせいで,ああなった,こうなった,
という風に恨まれたとしたら?」
「どうして他の子達みたいに普通の子供時代を送れなかったの?」と尋ねてくるかもしれません。
そんな時,私は,「あの子達が良い方向に解釈してくれたら」
と願ってやみません。
「パパは,あの特殊な状況の中で,できるだけのことはしてくれた。
完璧ではないかもしれないけど,温かくて,きちんとしていて,
あらん限りの愛を僕らに注いでくれた…」
そう心の中でつぶやいてくれたら,と思うのです。
あの子達があきらめざるを得なかったこと、子育てを通じて私の犯した過ちや,これから犯すだろう過ちを批判するのではなくて,良い面,つまり,私があの子達のために喜んで犠牲を払ったことに、いつも目を向けてくれたら、と思います。
私達はみんな人の子で,どんなにキチンと計画を立てて努力して
も,過ちをおかしてしまうものだからです。それが人間なのです。
こう考えると,つまり,「子供達に厳しく評価しないでほしい」と願い,「至らない面も見逃してくれたら…」と思うにつけて,
私は父のことを思わずにはいられません。
愛されたという実感はついぞなかったにもかかわらず,「父はやはり
私を愛してくれていたに違いない」と認めざるを得ないのです。
そう、父は私を愛してくれていた。今では分かります。
そのことが,表にあらわれることは,めったになかったわけですが。
子供のころ、私は甘いものに目がありませんでした。
兄弟みんな、そうでした。
そんな私の大好物は,シロップがけドーナツ(グレーズドドーナツ)で,
父もそのことを知っていました。
何週間かに一度,朝,1階に下りていくと,紙袋に詰め込まれた
シロップがけドーナツが,キッチンカウンターに置かれていたものです。
メモも説明もなく、ただドーナツだけ♪
まるでサンタクロースみたいでした。
「遅くまで起きていて、ドーナツを置いていくところを見ようか」
と思うこともありました。でも、サンタクロースと同じで,
二度とドーナツを置いてくれなくなるのでは、と心配で、
とてもこの魔法を台無しにする気にはなれませんでした。
父は、素の自分を見られないように、
夜中にこっそり置いていくしかないような人でした。
人間的な感情を恐れていました。
感情を理解できないか,あるいは,
その扱い方を知らなかったのでしょう。
けれど,そんな父でもドーナツなら知っていたわけです♪(場内笑)
こうして、心の防波堤を開け放してみると、
様々な記憶が蘇ってきます。小さな愛情表現の記憶です。
完璧とはいえないものの,それを思うと,
「父もできるだけのことはしたんだ」ということが分かります。
ですから,ここで私は、父がしてくれなかったことではなくて,
父がしてくれたことに目を向け,そして,
父自身が味わってきた試練について考えてみたいと思います。
非難するのは終わりにしたいと思うのです。
私はまず、「父が南部のとても貧しい家庭に育った」
ということに思いを馳せました。父の育ったのは大恐慌時代です。
食べさせていくだけで手一杯だった祖父は,
家族にほとんど愛情を示すこともなく,子供達を厳しく育てました。
「南部で貧しい黒人が育つということ、つまり、尊厳も希望もなく,
常に周りから蔑まれながら、一人前になろうともがくのが,
どういうことか?」皆さんには想像もつかないでしょう。
私は、私はMTVで放映された最初の黒人アーティストですが,
当時でさえ、それが大ごとだったのを覚えています。
80年代でさえ,そうだったのです。
インディアナ州に引っ越し,妻とたくさんの子供を持つようになると,
父は、家族を養うために、製鋼所で長時間働きました。
肺を痛めつけ,気持ちをくじくような仕事でした。
そんな父が,感情をさらけ出せなかったとしても,
何の不思議もありません。
心を頑なにして、壁をつくったのも、ごく自然なことでしょう。
そして何よりも,自分のような屈辱と貧困の人生を味わわせない
ようにと,息子達にパフォーマーとしての成功を強いたのも,
無理もないことだったのです
「父のあの峻烈さも,ひとつの愛のかたちだったんだ!どう見ても
完璧とは言えない愛。でも、まぎれもなく、愛だったんだ!」
私はそう感じるようになってきました。
愛していたからこそ、そして我が子が誰にも蔑まれないように
と願ったからこそ、強引に背中を押したのです。
時は流れ、今、私が抱いているのは、反感ではなくて、
「ありがたい」という感謝の気持ちです。
怒りのかわりに、ゆるしの気持ちが湧いてきたのです。
復讐のかわりに、握手をする気持ちが芽生えたのです。
ゆるす気持ちが、初めに抱いていた怒りに、
ジワジワととって代わっていったのです。
私は心の内で感じていたことを,その名前,
『ヒール・ザ・ワールド(世界を癒やす)』に託しました。
よく知らなかったのですが,後にシュムリーから,「この2つの言葉(Heal, World)は,旧約聖書の預言の基盤となっている」と伺いました。
皆さん、私が、今でも、戦争と大量虐殺に翻弄される
この世界を癒やせると、本気で信じているとお思いですか?
そして,この子供達を癒せると、本気で信じているとお思いですか?
今朝の新聞が報じている通り,サンディエゴの学校で,子供が銃を
撃ち,前途洋々たる生徒二人の,かけがえのない命が奪われる
という、恐ろしい事件が起きています
(2001年3月5日サンタナ高校銃乱射事件)。
2年前、銃と嫌悪がもととなって、コロンバイン高校を震撼させた、あの事件を思い出さずにはいられません。
こんな風になってしまった子供たちを癒やせると、
本気で考えていると思われますか?
また,ジェイミー・バルジャーの悲劇(訳注:リバプールで10歳の子供が2歳の幼児を虐殺した事件)のように、自分を守ることもできない幼児を殴って,命を奪ってしまうような子供を,本当に癒やせる
と考えていると、みなさんはお思いですか?
もちろん、私は、そう信じます。
でなければ今日、この場でお話などしていません。
ただ、すべては、ゆるすことから始まります。世界を癒やすには、まず、自分自身を癒やさなければならないからです。そして、子供達を癒やすには、まず私達一人一人が、自分の心の内なる子供を、癒やさなければなりません。
「人間として成熟し、無償の愛を与えられる親になるためには,満たされない子供時代の幻影に別れを告げなければならない」
そう私は考えています。
このことこそ、今日、私が皆さんにお願いしたいことです。
『十戒の第五戒律(父母を敬うべし)に沿って生きよう!』
ということです。
親を非難するのではなく、敬意を表してみて下さい。
親のしたことを良い方向に考えてみて下さい。
『私が父を非難するのをやめ,ゆるしたい』というのはそういう訳です。
「お父さん」が欲しいから、ゆるしたい。
結局のところ、私には彼しかいないのです。
『過去の重荷を肩から降ろして,この先ずっと,過去の辛い記憶に
邪魔されることなく,父と新しい関係を築いていきたい』
そう思っています。
憎しみに満ちた世の中にあってもなお、
希望を持たなくてはなりません。
希望を絶やしてはなりません。
怒りに満ちた世の中にあってもなお、
慰めの心を持たなくてはなりません。
絶望に満ちた世の中にあってもなお、
夢を持たなくてはなりません。
不信に満ちた世の中にあってもなお、
信じなくてはなりません。
「親に見限られた」ように感じている皆さん、
その失望感の方を見限りましょう♪
「親に欺かれた」と感じている皆さん、
これ以上自分自身を欺くのをやめましょう♪
「親の手を振り払いたい」と思っている皆さん,
反対に手を差し伸べてみましょう♪
それは,親に無償の愛を示すことです。
そうすれば,親は私達子供から愛し方を学ぶことでしょう。
そうすれば,この荒れ果てた寂しい世界にも,愛が戻ってくるでしょう。
シュムリーが以前、旧約聖書のある預言について、
話してくれたことがありました。
「子供達の心を通じて,親の心が戻ってくる時,新しい世界,
新しい時代が訪れるであろう」というものです。
皆さん,私達こそが,預言に述べられた(新しい平和な)世界
であり,(それを実現する)子供達なのです。
(We are that world, we are those children)
マハトマ・ガンジーは言っています,
「心弱きものは,ゆるすことができない。
ゆるすことは、強さの裏返しである」と。
皆さん、強い人間になろうではありませんか。
そして,破られた約束(親子関係)を修復するという難題を
解決するために、立ち上がりましょう♪
子供時代に受けた傷が人生にどんな影響を与えようとも、
乗り越えなければなりません。
そして,ジェシー・ジャクソンの言葉にあるように、
「ゆるし合い,つぐない合い,そして前へ進みましょう♪」
こうして「ゆるし」を呼びかけたからといって,
「一気に世界中のみんなが納得して,何千もの子供達が
親と和解する」などということにはならないかもしれません。
けれども、少なくとも行動を起こしたことで、結果として、
みんな、ずっと幸せになれるでしょう。
皆さん,今夜のお話を信念と喜びと興奮のうちに締めくくりたい
と思います。
今日,この日から,新しい歌が聞こえてきますように。
子供達の笑い声をその歌に,子供達の遊ぶ声をその歌に,
子供達の歌声をその歌に,耳を傾ける親達の息遣いを
その歌にしましょう♪
手を取り合って,心のシンフォニーを奏でましょう♪
子供という奇跡に目をみはり,愛の美しさに酔いしれながら。
世界を癒し、痛みを取り去りましょう♪
そして,ともに美しい音楽を創り出しましょう♪
神のお恵みがありますように、I love you.
(Michael Jackson 2001 March 6)
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to HABI ∞ ROAD(いろんな幸せな道=彼岸への道)
毎日毎日、本当に幸せで、ありがたい
今起きていることは、自分に必要なこと
感謝すべきことしか、起きていない。
気付いて感謝、学んで感謝、成長して感謝 の繰り返しで、
だんだん 満たされているって、すべて愛だって…。
幸せだって 感じる
ありがとう ご縁に感謝 (byおじぞう)