【1】お彼岸(ひがん)とは?
➊[お彼岸の期間]
お彼岸は,春分の日・秋分の日を中日として,それらの前後3日間,
合計7日間ずつを「お彼岸」といい,
春分の日前後を「春のお彼岸」,
秋分の日前後を「秋のお彼岸」といい,毎年2回あります。
お彼岸の7日間の初日を「彼岸の入り」=9/19(土)、
最終日を「彼岸の開け」とか「結彼岸」=9/25(金)ともいいます。
※【2020年秋彼岸】…9月19日(土):彼岸入り
9月22日(火):彼岸の中日(=秋分の日。祝日)
9月25日(金):彼岸明け
❷[国民の祝日に関する法律]では、
春分の日は「自然を讃え、生物を慈しむ日」
秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」とされています。
❸[お彼岸の歴史]
お彼岸が始まったのは、日本で、日本独自の行事です。
インドや中国には、お彼岸の習慣はありません。
「彼岸会」が初めて行われたのは、蝦夷征伐をしたり,
794年に奈良の平城京から京都の平安京へ都を移したことで
有名な桓武天皇の臨終の日です。
晩年,彼は怨霊に怯えながら,寺院を建立したり,
僧侶を淡路島へ派遣したりして,怨霊対策に明け暮れ,
806年の生涯最後の日に,彼岸会を行なって死んだのでした。
このように「お彼岸」は,春分の日と秋分の日に怨霊を鎮めようと
した法事ですが,春分の日と秋分の日は、太陽がちょうど真西に
沈む日ですので,平安時代の中頃には、太陽を心に思い浮かべる「日想観」が説かれる『観無量寿経』とその解説書の善導大師
(ぜんどう・だいし)の『観無量寿経疏(しょ)』によって、
阿弥陀如来の救いを求めて仏教を聞く日となりました。
その後もお彼岸は続けられ,
平安時代中頃の『蜻蛉日記』や『源氏物語』にも登場します。
葬式が盛んになる室町時代からは,先祖供養をする
仏教の各宗派共通の行事として,一般化しました。
➍[お彼岸の意味]
「彼岸」の語源は,インドの「波羅蜜多(ハラミッタ:到彼岸
〈とうひがん:中国語訳〉)」です。
「彼岸」とは,彼の岸と書き、向こう岸のことで、私達の生きている
苦しみ悩みの「此岸(しがん)」の世界から,阿弥陀如来の極楽浄土(涅槃)へ行くことを「彼岸に渡る」といいます。
「彼岸に渡るとは?」どういうことでしょう?
どんな人にも天命・使命があると思いますが、
地球上の全ての人に共通する目標があります。
それは輪廻転生を切り,次の世へ行くこと,
つまり,地球を卒業することです。
地球を卒業して、阿弥陀仏の極楽浄土へ行くには、死ぬまでに
六道輪廻の根本原因を断ち切っておかなければなりません。
私達は皆、最終的には、
地球を卒業するために地球上に生まれてきているのです。
これが,お釈迦様,空海様の一番重要な教えで,
イエス様も同様のことを新約聖書で,声を大にして言っています。
つまり3人とも同じ教えなのです。
ちなみに旧約聖書のエデンの園の話も同じ話です。
皆さんもご存じの『般若心経』で、最も重要な部分があります。
揭諦揭諦 波羅揭諦 波羅僧揭諦 菩提薩婆訶
一番最後なのですが、これが、最も重要なご真言(マントラ)です。これ以外は「空」の説明文です。
このご真言を日本的に(つまり漢字で)読むと、
「ギャーテー ギャーテー ハーラーギャーテー
ハラソーギャーテー ボーヂーソワカ」です。
でもやはり、音=響きが重要なので、
仏典はサンスクリット語で読まないと意味がありません。つまり
,『カーテー カーテー パーラーカーテー
パーラサンカーテー ボーディ スヴァハ』が正しい読み方です。
この部分は仏教界のみならず,多数の識者が訳していますが、
私の訳は,こうです。
「さあ、行こう、行こうぜ!
(輪廻転生の世界を卒業して)真実の世界へ行こうぜ!
皆で一緒に行って、嬉し楽しの弥勒の世界に安住しようぜ!」
何か、超エネルギッシュな感じ、しませんか?
弥勒の世界とは古来、「天の御国」とか「ミロクの世」とか
「ニルヴァーナ」などと呼ばれている高次元の意識世界です。
(さあ行くんだ!その顔をあげて)銀河鉄道999 byゴダイゴ
【2】「お彼岸」には,
何をすればいいのでしょうか?
お彼岸の本来の目的は…
怨霊退散の日でもなけれぱ,先祖供養の日でもなく,
迷いの根元を断ち切って,極楽浄土へ往生できるように、
自らの行いを省みるための期間なのです。
そして,「いのちが終わる時には,浄土浄土へ行くのだ!」という
大きな安心の中で,精一杯生き抜くことができる人生に目覚め,
極楽浄土へ向かう人生をあらためて気付かせて頂く期間なのです。
➊心を鎮めて,阿弥陀仏とその浄土を一心に思う
【日想観】をしましょう♪
【日想観】とは、西に沈む夕日を見て,西方極楽浄土を思い,
日を覆う黒雲を見れば、自己の罪悪を見つめ、
日の光を見て、浄土の光明を想う縁とするものです。
❷六波羅蜜を1日1つずつ心がけましょう♪
年に2回のお彼岸には、中日を中心とした前後3日ずつに、お釈迦様がまとまられた6つの善の六波羅蜜(ろくはらみつ)を1つずつ心がける習慣があります。
お彼岸の7日間の
初日「彼岸の入り」(19日〈土〉)…[布施(親切)]
2日目(20日〈日〉)…[持戒(言行一致)]
3日目(21日〈月〉)…[忍辱(忍耐)]
4日目の中日(22日〈火〉)をおいて
5日目(23日〈水〉)…[精進(努力)]
6日目(24日〈木〉)…[禅定(反省)]
7日目の最終日「彼岸の開け」(25日〈金〉)…[智慧(修養)]です。
これを機に、是非六波羅蜜の善い行いをしましょう♪
❸重要な真言『カーテー カーテー パーラーカーテー
パーラサンカーテー ボーディ スヴァハ』を唱えましょう♪
➍名号『南無阿弥陀仏』を称えましょう♪
⑴『観無量寿経』に「『南無阿弥陀仏』と称せん。
仏名を称するが故に,念々の中に於て,
八十億劫の生死の罪を除く」とあります。
この名号(みょうごう)は,私達の苦しみや迷いを断ち切って、
本当の幸せを与える働きを六字で表したもので、
私達の迷いの元を根本から断ち切る特効薬のようなものです。
⑵「阿弥陀」は、その二つの仏名の「アミターバ(無量の光明,
amitābha)」と「アミターユス(無量の寿命, amitāyus)」
に共通するアミタ(無量、amita-)のみを音写したものです。
⑶意味は…「私は(はかりしれない光明,はかりしれない寿命の)
阿弥陀仏に帰依します」
⑷発音は…「なむあみだぶつ」「なんまんだぶつ」
「なんまんだぶ」「なんまんだー」「なんまいだー」
「なむあーめんだぶつ」(キリスト教の影響?)…
⑸唱えるだけでは駄目です。
名号『南無阿弥陀仏』の働きによって,私達の苦しみ迷いの根元
を絶ち切り,「信心獲得(しんじんぎゃくとく)」しましょう♪
(ここまでは、すべて【自力の念仏】)
信心獲得には時間はかかりません。その後は,すべて
【他力の念仏】で,阿弥陀如来のお計らいによって,
『南無阿弥陀仏』の大功徳を【聞いた一念(いちねん)】で,
【他力の信心】を頂き,【阿弥陀如来の心(=無上の功徳)】と
心が一体になり,歓喜愛楽し,絶対の幸福者になりましょう♪
【他力の念仏】は,『南無阿弥陀仏』を頂いて,変わらない幸せに
救われた喜びから称えずにおれない[お礼の念仏]のことです。
このように、名号を「称える」のではなく、名号を「聞く」ことで、
苦悩の根元を断ち切られ,本当の幸せになれるのです。
※「名号」と「信心」と「念仏」は、どれも『南無阿弥陀仏』ですが、
阿弥陀如来のお手元にある間は「名号」といい,私達が頂くと
「信心」といい,それが口から表れたのを「念仏」といい,
名前は変わりますが、体は一つです。
❺[お彼岸のお供え]をしましょう♪
・「彼岸団子」…上新粉などで小さい団子をたくさん作り、
底辺が三角形のピラミッド状に積み重ねます。
・「春の彼岸」では、牡丹の花に見立てた「ぼた餅」(こしあんを使って大きめに作ります)
・「秋の彼岸」では、萩の花に見立てた「おはぎ」(粒あんを使って小さめに作ります)
をお供えします。
❻浄土教の七高僧の一人:善導大師(613~681年)の『観経疏』と
いうお経の中の『二河白道(にがびゃくどう)』の喩え話を読んだり,
聞いたりしましょう♪
この話は,苦悩の根元が断ち切られるまでの心の道のり
(=此岸から彼岸へ渡る道=極楽浄土へ生まれる道)
のことを語っています。
➀『二河白道の喩え』
[あらすじ]…ある旅人が西に向かって進んで行くと,
何もない荒野で火と水の河に出会います。
南側に火の河、北側に水の河。
河の幅は百歩ほど(50~60m)で、さほど大きな河ではないですが,深くて底がなく、また南北に辺がありません。
ただ中間に橋のように一筋の白い道(白道)はあるのですが、
その道は人一人渡れるほど(12~15㎝)の細い道で、
火と水が両方から押し寄せてきています。
そこへ後方からは賊の群れや悪獣が
自分を殺そうと迫ってきています。
前に進んでも、後ろに下がっても,そのまま止まっていても
死を免れない三定死の状況の中で,思い切って,
【白道】を渡ろうとすると,
東から「この道を進め!」という勧める声(発遣)がし、
西からは「すぐに来て下さい。あなたを必ず救います。
まかせなさい!あなたをずっと守り続けます!」
とい呼ぶ声(招喚)がしました。
その声に従い、その道を渡ると,
難を逃れ、善き友と遇うことができました。
➁解説
この旅人は実は私達自身の姿を現わしています。
この絶体絶命のピンチに、あなたなら、どう対応しますか?
彼岸と此岸を分けている[火と水の河]は私達の苦しみの原因
となっている欲望や思い通りにならない時の怒りの心を
指しています。だから底がないのです。
また此岸では,地位や名誉や財産に振り回されている
盗賊のような私達の心も渦巻いています。
そういった[悪の心]が私達の彼岸(=極楽浄土)へ向かう道を
閉ざしているのです。
しかし,そんな私達に此岸から[お釈迦様]は「信じて進め!」と
励まして下さり,彼岸からは[阿弥陀如来様]が「私にまかせて,
信じてきなさい!」と呼びかけて下さっています。
つまり,私達はじっとしていても,
必ず人間の命を終えていかなければなりません。
そして,欲望や怒りの心を無くすことができない私達は、
その河を渡って浄土へ行くことはできないことをあらわされ、
ただ阿弥陀如来のお救い(=南無阿弥陀仏の念仏)に
おまかせをする道(白道)しかないと示して下さっているのです。
白道は浄土往生を願う清浄の「信心」、また、
「本願力」をあらわしています。
また、その道は喜び・歓喜・光に満ちた道であり、
必ず極楽浄土に行ける道です。
また,信仰の道は大きな道なので、
この大きな道を,確信して進みましょう♪
➂写真の解説
⑴人影ひとつなく果てしなく続く荒野…いつも世俗に振り回されて、自分を真実に導き入れる善知識(師匠)にあわないこと
⑵「旅人」=迷いの世界に生きる私達のこと
⑶「火の河」=瞋憎(しんぞう)。人間の持つ怒りや憎しみの煩悩
⑷「水の河」=貪愛(とんあい)。人間の持つ貪りや愛着の煩悩(尽きない欲望)
⑸「中間の幅四、五寸の白い道」=阿弥陀仏の本願力と信心=阿弥陀仏が生死(しょうじ)の迷いの世界を生きる私達を救うために完成された【本願力】が私達に至り届いて【信心】となる。
「道の上を進んでただちに西に向かう」=様々な修行をすべて翻して、直ちに幸福を求めて、西方浄土に向かうこと。
⑹長さが100歩分…念仏者の一生のこと。原文に「水と火の河も100歩分の長さ」とあるのは、煩悩が死ぬまで消えないことを表している。
⑺「東の岸」=此岸=私達が生きている迷いの娑婆世界
⑻「西の岸」=彼岸=煩悩の穢れを離れた阿弥陀仏の西方極楽浄土
⑼河の様子…4~5寸と狭い白道を広大な水火二河が激しく襲うのは、私達の煩悩の凄まじさを表現している。
⑽「盗賊」=別の理解の仕方や修行を行い、悪い考えを抱く(別解[べつげ]・別行・悪見の)人達。念仏の教えを否定する聖道門や自力で浄土に往生しようとする人達。また、自ら罪を作って、悟りの道を失っている人達。
⑾「悪獣」=衆生の六根(感覚器官である眼・耳・鼻・舌・身・意)、六識(それら器官による認識作用:眼識(色)、耳識(声)、鼻識(香)、舌識(味)、身識(触)、意識(法))、六塵(六識の知覚の対象となる六つの境界)、五陰(人間を構成する五種[肉体面…色〈物質〉、精神面…受〈感受作用〉、想〈知覚表象作用〉、行〈受、想、識以外の意思その他の心作用〉、識〈識別作用〉)の要因)、四大(一切の物質を構成する地・水・火・風の四大元素)の喩えで、迷いの世界から離れることができない私達の心身のありようそのものです。
⑿東岸からの声=釈迦仏の発遣(はつけん)。「この道を行け」と勧める声は、釈尊が説かれた本願念仏の教えの象徴。
声だけが聞こえて姿がないのは、釈尊が入滅して、後世の人達はお釈迦様に会うことができないが、残された教え(声)を聞いて浄土へ往生していくことを表している
⒀西岸からの声=西方浄土からの阿弥陀仏の招喚(しょうかん)。「すぐに来て下さい。あなたを必ず救います。まかせなさい!あなたをずっと守り続けます!」と喚び続けている本願。
両岸の声(阿弥陀仏と釈尊の二尊)が、いずれも「白道を進み、西岸へ至れ」と勧めていて、ともに本願念仏の救いを説いていることを表している。
⒁白道を進む=自力の行をすべて振り捨てて、浄土へ向かって念仏生活を営む様子
⒂誘惑の声=念仏ではない道を歩む人々が「念仏なんかで救われるわけがない」と説くこと
⒃西の岸に着く=この世の命を終えて、極楽浄土に往生し、仏とお会いして慶びが極まりない様子
↓写真と解説は下記アドレスから引用させて頂きました。
http://www.smj.or.jp/posts/houwa60.html
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to HABI ∞ ROAD(いろんな幸せな道=彼岸への道)
毎日毎日、本当に幸せで、ありがたい
今起きていることは、自分に必要なこと
感謝すべきことしか、起きていない。
気付いて感謝、学んで感謝、成長して感謝 の繰り返しで、
だんだん 満たされているって、すべて愛だって…。
幸せだって 感じる
ありがとう ご縁に感謝 (byおじぞう)