☆立夏の養生法~
「心(臓)」を大切にして陽気を養いましょう♪
立夏は夏の始まりで…草木が茂り、
気持ちの良い風が吹いて晴天が続く頃です。
この節気は万物がグングンと生長していく時期です。
中医学の理論では「人間と自然界は一体のものであり、
自然界の四季の盛衰や変化は人体の五臓の効能や活動と
相互に関わり合っている」とされています。
中医学で言うとこの季節(夏)は、高温で、陽が高まり易く、
陰分(潤い)を消耗しやすい季節です。
これから陽気が最も盛んになり、
五臓の中では”心”の機能が活発となります。
立夏の後、陰分不足で、火(熱)が旺盛になり、気温がダンダン
上がるにつれて、熱が上にあがって、心神に影響するので、
人はソワソワとして、心理的に落ち着かなくなります。
人の身体も、新陳代謝を活発にする春の態勢から、
元気よく動き回る夏の態勢へと生理変化します。
つまり、春:肝(臓)気(木気)の季節(⇒春の土用:脾の季節)から[夏:心(臓)気(火気)の季節]への生理変化です。
「立夏」前後から心臓の生理的活動が活発になり、夏の時季には
心臓の陽の気が最も旺盛になるといわれています。
なので、春から夏になる時は、気候の変化に応じて、
身体の中で最も陽の心(臓)に注意を払い、重きをおいて、
心の気を養うことが重要です。
心の気を養うことが、身体全体の陽気を養うことになるのです。
◆この時期は…
㈠中医学では”心”は”神”であり、
「精神面と非常に関係が深い臓器」と考えられています。
そのため、陽気の上昇とともに、
自律神経をコントロールできなくなり、イライラ・のぼせ・頭痛・
不眠(入睡障害)等の症状が出やすくなります。
㈡汗をかきやすくなるため、身体の水分が減り、水分と共に
”気(エネルギー)”も同時に失われるため、疲れやすくなります。
㈢冷たいものを摂取することが多くなることで、
胃腸の調子も崩しやすくなります。
㈣この季節は動物や植物が輝き始めるのと同じように、
身体の内部も動き始め、ホルモンが活発に分泌される分、
身体は疲れますし、逆にホルモンの分泌が悪いと、
体調を崩しやすくなってしまいます。
㈤気温が上昇し、心火が旺盛になり、
容易に高血圧や心疾患を引き起こしがちになります。
このように、体力の回復が十分にできない状態になります。
なので、精神的に安定させるような働き、
陽気を体外へ発散させるような働き、
体を冷やす働き、水分を補う働き、
胃腸の働きを整える働きの食材を摂取する必要があります。
★❶精神面の養生は?
①”静養”が特に重要で、心を静めるように調節しましょう♪
○心をケアして、精神状態を安定させて、陽気を養い、
体力を充足させましょう♪
心を穏やかにし、常に微笑を忘れず、怒りを抑え、
自分の心が穏やかになること、
例えば、趣味等を楽しんで、情緒を養い、精神を安静にして、
心安らかに、心を伸びやかに保ち、伸び伸びと、
楽しんで、笑いましょう♪
文芸活動や絵画、書を楽しんだり、魚釣り、将棋をしたり、
ガーデニングなどして、楽しみましょう♪
②落ち着かなくなるので、あまりにも大喜びしたり、
激怒するのは心臓の陽の気を傷めますので、避けましょう♪
③心臓の動きも活発になり、動悸や不整脈が起こりやすい時期
なので、疲れやすく、めまいやふらつき、物忘れが多くなります。
その一方、気候が良くなり、周りの人が活発に動き始めるので、
自分だけがついていけないことに焦りを感じてしまう人もいます。
「頑張らなければ」と思うほど、かえって身も心も疲れさせてしまう
ので、この時期は焦らず、心身を落ち着けることが大切です。
④ストレスが続くと…自律神経が乱れます。
ストレス過多=交感神経優位になりますので、免疫力も下がります。
⑴中医学で自律神経を司るのは「肝」なので、この時期の食養生
としては、「肝」の働きを助けて、滞りがちな気の巡りをスムーズ
にする食材を積極的に摂ると良いです。
ストレスの大半は「怒り」なので、そういう意味でも、
肝臓をケアするというのは理にかなっています。
(※怒りは肝臓に溜まって、悲しみやメソメソは脾臓に溜まります。)
⑵効用のある食材
特にイライラしている時は、心が穏やかになるもの、
身体を冷ますもの、酸っぱい(酸味〈木気の味〉)もので、
バランスを取りましょう♪
身体が酸っぱいものを欲した時は積極的に摂るようにしましょう♪
㊀[安神(=気持ちを安らかに、穏やかにする)の働きのある食材]…[玄米]小麦、アーモンド・蓮の実、チンゲン菜・小松菜[百合根]
ヒジキ、イワシ[アサリ]牡蠣・シジミ、紅茶[ジャスミン茶][緑茶]等
・[緑茶]はこの時期、新茶が出回る時期で、リラックス効果が
あり、手軽に、色や香りも楽しむことができます。
緑茶は消化を助けてくれますので、食後に
温かいお茶でホッとしつつ、胃の中も爽やかにしてくれます。
また、免疫力向上作用・抗酸化・抗高血圧・抗血糖作用も
持ち合わせていますので、お奨めです。
但し、眠りの浅い方や夜寝つきが悪い方は、
夕方までに飲み終わるようにしましょう♪
夕食後には、できれば、ほうじ茶や番茶を飲みましょう♪
・[ジャスミン茶]も同じくリラックス効果があり、
特に女性の生理時のイライラや痛みにも効果があります。
・[アサリ]…五性は「寒」、体を冷やし、
潤いを与える作用が強いです。
体内の余分な熱を取り除き、機能を鎮静させますので、
冷えが強い人や胃腸の弱い人は摂りすぎには注意が必要です。
また、五味は「鹹(かん)」で、かたいものをやわらかくする作用
(デットクスと同じ効果)があり、排泄を促します。
・[ユリ根]…神経を落ち着かせ、精神疲労の改善に良く、
イライラ感や不安感を軽減し、不眠症の改善をもたらします。
心の熱を鎮めるので、動悸にも効果的で、肺に潤いをもたらし、
喉の渇きを改善し、肌の保湿にも良いです。
㊁[平肝(=肝臓の高ぶりを抑えて、正常にする)の働きのある食材]
…菊花、クレソン、シシトウ、セリ、セロリ[トマト]
ピーマン、アナゴ、クラゲなど
㊂[気の巡りを良くする理気の食材]…
玉ネギ、ピーマン、三つ葉、柑橘類、鮭、酒など
・朝に玉ネギを少し、夕食後には少量の赤ワインを飲んで気血の流れをスムーズに保ちましょう♪
㊃[補肝の働きのある食材]…
梅干し、酢、レモン・グレープフルーツキウイ・柑橘類など
自分の身体の声を聞きながら、取り入れましょう♪
⑶神門はストレスを治めてくれるツボ!
夏は心の季節で、心臓を落ち着ける作用があるツボは
【神門(しんもん)】で、心の経絡の原穴です。
精神的な緊張を緩め、
イライラなどのストレスを治めてくれる役割があります。
・「五月病でやる気が出ない」「ちょっと動くと動悸がする」時に
お奨めのツボです。
場所は…手首の横ジワの小指側の少しくぼんだ所にあるツボ。
神門をイタ気持ちいい程度に5秒圧迫し、3秒離すという刺激を、
左右10回程度行いましょう♪
自律神経が整っている人は押しても痛くはないので、
痛い人や押して気持ちがいいと感じる人は、自律神経が乱れ、
心臓に負担がかかっているのかもしれません?
自律神経のバロメータとして、
一日何回か押して確認することが大切です。
日中、「疲れたな~やる気がでないな~」と感じた時にも、
その都度、揉んでみましょう♪
そして、やる気をUPさせましょう♪
★❷身体面の養生は?
この時期は、ホルモンのバランスが乱れやすくなる時期なので、
生活のリズムを整えて、規則正しい生活を行うことが大切です。
なぜなら、各種ホルモンの分泌は
生活習慣と大きく関係しているからです。
食事のバランスをとるなど、規則正しい生活が重要となります。
①朝晩は、風邪予防の為に、適当に衣服を重ね着しましょう♪
掛け布団を調整しましょう♪
・この時期は、夏が到来して、天気は次第に熱くなり、
温度は上昇してきますが、早朝と晩には比較的涼しく、
日夜の温度差は大きいです。
・風邪をひくと、身体が丈夫な人であっても、
汗が多く出て、心を傷つけてしまいます。
②睡眠をしっかりとり、”早寝早起き”をし、
天地の清明の気を受けるようにしましょう♪
⑴立夏が来ると、昼の時間は長くなり、
外での仕事は体力と精力を消耗します。
また、夜は短くなるため、睡眠不足になりやすいです。
従って、できれば日中に軽い睡眠(昼寝)をとるようにしましょう♪
20分間、目を閉じるだけでも休息が取れます。
⑵睡眠はホルモンの分泌に大きな影響を与えることから、
睡眠時間に注意することが重要です。
㊀23時にはベッドに入り、0時までには眠りましょう♪
㊁そのためには、睡眠前のルーティンが大切です。
ベッドに入る1〜2時間前に風呂に入り、体温を一過性に上げ、
その後ストレッチなどを軽く行いましょう。
すると、上がった体温が下がり、深い眠りへと導かれます。
㊂特に成長ホルモン(若返りホルモン)は、就寝から2時間経過
する頃から分泌され始め、3時頃にピークを迎える為、
遅くても深夜0時までには寝るようにして、
身体の新陳代謝を高めましょう♪
また、ストレスに打ち勝つ副腎皮質ホルモンは起床の直前の
朝方に高まってくることから、
眠りに入る時間がとても重要なのです。
㊃[メラトニン(睡眠ホルモン)]は、セロトニン(幸せホルモン)から
合成されますが、光が抑制されないと合成できません。
そのため、夜遅くまでスマホやパソコンを使用していると、
睡眠ホルモンが合成されないのです。
セロトニンは気分を安定化してくれますが、
豆類等に含まれるトリプトファンが合成原料であり、
日光に当たらないと合成することができません。
このように、身体の成長・修復は各種のホルモンにより行われる為、ホルモンが分泌されやすい生活リズムをつくることが大切なのです。
夜遅くまで目を酷使していると、動悸がしたり、
日中活動するパワーが生まれません。
なので、夜はしっかり休みましょう♪
朝、目が覚めた時、布団の中で、軽く神門を揉んでみましょう♪
・神門は便秘にも効きます。
③運動は、気温が段々高くなるので、汗が出やすくなります。
・”汗”は心の液なので、立夏の時は
過度の汗を出さないように注意しましょう♪
・運動後、適度に暖かい水を飲み、体液を補充しましょう♪
④ハードな運動はしないようにしましょう♪
⑴太極拳、ヨガ、ストレッチ、ウォーキング(リズム歩行)などが
お奨めです。
⑵1日何回かは踏み台昇降をしましょう♪
“下り”の運動を意識的に行ってみましょう♪
伸張性収縮運動(収縮した筋肉が引き延ばされる運動)が
筋肉に強い負荷がかかり、
筋肉の成長を促すのには、とても効果的です。
⑶椅子にゆっくり座り(=スロースクワットし)ましょう♪
ゆっくり座ることで、太腿や腰回りの筋肉がより働きます。
太腿の筋肉は身体の中でも大きな筋肉なので、
巡りをアップさせるには持ってこい運動です。
⑷つま先立ち(ふくらはぎを使う動き)をしましょう♪
ふくらはぎの筋肉も、身体の巡り=
特に下から持ち上げるポンプの様な役割をしています。
立って行うと、体重や重力も加わりますが、
膝の痛みなどがある方は、座ったままでも良いです。
⑤立夏は、紫外線がとても強くなりますので、
しっかりとお手入れをしましょう♪
⑴強い日差しと埃っぽい風で、
外から帰ってきた肌はかなりのダメージを受けています。
この時期の肌はとても弱く、皮膚が弱い人は皮膚のトラブルを
起こしやすくなることから、UVケアはもちろん、保湿剤や乳液を
塗るなどの肌を乾燥させないよう対策をとりましょう♪
⑵端午の節句に入る菖蒲湯は、保温・保湿効果があることから、まさに紫外線対策としても有効です。
⑶お奨めのアロマはネロリです。
オレンジビターの花から取れる老化防止にお奨めのアロマです。
オレンジとの相性も良く、ブレンドして香りを楽しむのも、風呂上りに植物油に混ぜてトリートメントしてあげるのも良いです。
⑥高齢者は、更に気血の流れが滞って、
心臓病の発作を引き起こさないように注意をしましょう♪
⑦心臓の働きが活発になり、動悸が起きやすくなりますので、
補血(身体の栄養と潤いを高めること)をしましょう♪
★➌食養生は?
①陽気がピーク6月後半の夏至に向けて、収斂(しゅうれん)の性質
を持つ酸味を増やして、苦味を減らしていきましょう♪
②補腎助肝をし、胃気を整え、養いましょう♪
③多く摂った方がいいものは…
⑴低脂肪、減塩のあっさりしたもの、消化しやすく、
繊維質の多いものをたくさん摂りましょう♪
⑵ビタミンを多く含む野菜や果物、過度に精製していない
穀物(玄米)などをたくさん摂りましょう♪
⑶特に、気が不足している気虚質で汗をかきやすい方は…
玄米、もち米、アワ、ハト麦、ジャガイモ、長芋、ナツメ等を
食べて、気を補いましょう♪
・玄米…元気にさせ、スタミナが増強し、脾胃に良いです。
便秘改善、下痢止め効果。老化防止、高血圧など
生活習慣病の予防、自律神経失調症や精神不安の解消。
・もち米…気を補う作用が強く、体力回復や元気の源になる食材。
気虚質、陽虚質、気鬱質に良いです。
胃を温め、消化吸収機能を高めるので、下痢の改善や
冷え性にも良いです。汗のかきすぎにも効果的です。
⑷山芋・レンコン・ゴボウ・人参、紫蘇[レタス]玉ネギ、ピーマン、
トウモロコシ[トマト]胡瓜・苦瓜・冬瓜・茄子・ヘチマ・オクラ・セリ、
[キクラゲ][フキ]、豆類(空豆・枝豆・インゲン豆・小豆・緑豆)、
ゴマ、枇杷・桃・梅[パパイヤ]カリン・サクランボ・夏ミカン・スイカ
[イチゴ]ハチミツ、鱧(はも)・鮎・アナゴ[アサリ]鶏肉・赤味の肉等。
・キクラゲ…気虚質、陰虚質に良く、津液を増やし、肺を潤し、
喉の渇き、咳等に効果的です。美肌作用が有名。
・パパイヤ…気虚質、陰虚質に良い。
喉の渇き、疲労、倦怠感に有効。胃腸の働きを改善し、
食欲も増進。夏バテ解消、美肌効果も期待できます。
④避けた方が良いものは…
甘くてこってりしたものや辛くて熱のあるもの。
・辛いもの(魚や野菜などの漬物、生ネギ・生ニンニク・ショウガ・
唐辛子・ニラ等)、動物の内臓・肉の脂身等
・塩分を控え、心臓に負担をかけないようにしましょう♪
⑤立夏の頃の旬のものは?
「血を補うには、赤いものを食べる」という話が
薬膳や食養生で出てきます。
血は、身体に栄養を運んで、疲れたり、痛んだ所を修復して、
心をしっかり働かせて、精神活動を支える働きがあります。
血が足りなくなると、顔色が悪くなり、頭も働かないし、
ソワソワして、心が安定しません。
なので、五月病になりやすくなったり、
夏の暑さに身体が対応できなくなってきます。
血が不足している場合、
「胃腸の働きが弱くて、血が作られていない場合」と
「忙しかったり、夜眠られないことが多くて、消耗し過ぎている
場合」があります。
今の季節にお奨めの赤い食材は、㈠イチゴと㈡トマトです!
しっかり補いましょう♪
⑴露地物のイチゴ…立夏を過ぎると、
熟し始め、小満の頃にピークを迎えます。
暑い日は、まだ身体が十分に順応できず、
身体に熱がこもりがちになり、
水分補給をし、身体の熱を冷ましてくれるのに最適な果物です。
ビタミンB12と協力して血液をつくる働きがある葉酸が豊富に
含まれていて、気血を調整し、血行不良にもよい食材です。
⑵トマト…酸性で、涼血作用があり、血を綺麗にしますので、
暑がりや高血圧の人によいでしょう。
また、冷え性や美肌にも効果があります。
赤い色素成分:リコピンの抗酸化力が強く、
ベータカロチンの2倍の効果があると言われ、
シミ・ソバカス、しわ、ダイエット、若返り等に効き目があります。
⑶フキ…苦味が「心」を癒してくれますので、たくさん食べましょう♪
・フキの苦味の成分にはカリウムやポリフェノール類が含まれて、塩分排出を助け、新陳代謝を促してくれます。
・市場では4月から出回っていますが、
これからが本当の旬の初夏を代表する食材です。
⑷レタス…通年出回りますが、本来は初夏が旬のものです。
野菜は、本来は生食が望ましいので、
暑くなれば、生で食べましょう♪
⑥【立春の頃にふさわしい料理】…フキの煮物。
少々甘味をつけ、辛味としては山椒の若葉がベストです。
★立夏から心の季節になりますので、夏は〈主:苦味、従:辛味、
添:甘味〉この三味の組み合わせを最適としています。
料理は、この三味を頭に置いて行ないましょう♪
私達も立夏の頃から気を引き締めて、しっかり養生して、
これからの暑い夏を健康的に乗り切っていきましょう♪
↓◇詳細は
◎①5/5(火)~19(火)=24節気&72候:立夏とは?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12594686031.html
◎②5/5(火)~19(火)=立夏の過ごし方は?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595170569.html
◎③5/5(火)~19(火)=立夏の食養は?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595181406.html
◎④5/5(火)~19(火)=立夏の旬を感じるものは?
https://ameblo.jp/skmhirai/entry-12595298241.html
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to HABI ∞ ROAD(いろんな幸せな道=彼岸への道)
毎日毎日、本当に幸せで、ありがたい
今起きていることは、自分に必要なこと
感謝すべきことしか、起きていない。
気付いて感謝、学んで感謝、成長して感謝 の繰り返しで、
だんだん 満たされているって、すべて愛だって…。
幸せだって 感じる
ありがとう ご縁に感謝 (byおじぞう)